- イメトレのやり方がわからない
- 上手くできている感じがしない
- イメトレの効果を感じない
- コーチの言うようにイメージできない
イメージトレーニングに興味を持ち、自己流で取り組んでみたものの、こんな理由でとん挫した経験がありませんか?
でも自分を責める必要も、諦める必要はありません。なぜならイメトレを正しく実践し、継続するのは決して簡単ではないから。
筋トレは、やるべきことが明確で、変化も分かりやすい。だから、どんなに辛くても頑張れます。しかし、イメトレは漠然としていて、何をどうすればよいのかわからないし、効果も感じにくいのです。
筋トレのように充実したトレーニング教本や、レッスン動画があるわけではないし、イメージ指導に長けたコーチもほとんどいません。
でも覚えておいてほしいのは、イメトレも筋トレ同様、目的別に正しいやり方があるし、正しく続ければ、そのリターンはとても大きいということです。あなたの目標達成や成長を加速させてくれる可能性を秘めたものです。
このページでは、主にアスリートや音楽家の事例を紹介していますが、ビジネスマン、受験生なども、様々な場面において、イメージトレーニングは役に立ちます。
ぜひこの実践ガイドで、しっかりとイメトレの意味や目的を理解したうえで、イメージ技術を少しずつ高めていくのだと思って、地道に取り組んでください。
目次
イメージトレーニングで結果を出したプロフェッショナルたちの声
まずはともあれ、イメージトレーニングで結果を出したアスリートの体験談をどうぞ。
平昌オリンピック日本代表
女子ショートラック 菊池悠希さん
試合直前のセッションでは、レースの組み立てかた、レース展開の予想について、たくさん時間を割いて、話し合いを行いました。本番を想定したイメージトレーニング(メンタルリハーサル)のためです。でもこのおかげで、私の頭だけでは考え付かない多くのレース展開までを想定し、それに対する準備をしっかり行って、レース本番に臨むことができました。その結果、全日本選手権では、全種目安定した成績を残して総合優勝を果たし、平昌オリンピック出場を決めました。
さらに驚いたのはイメージトレーニングの効果でした。競技中の緊張をコントロールするために始めたイメージトレーニングですが、足の動かし方、手の動かし方、体の動かし方を意識するイメージトレーニングの指導を受けたところ、思わぬ副産物がありました。無意識に、演技の中でイメージトレーニングしたように体が動き始めたというのです。いくら口頭で教えようとしてもできなかったことが、イメージトレーニングで形になって出てきたのです。
イメージトレーニングとは、イメージ技術を高める訓練
まず今、目を瞑って、10秒くらいかけて、日本の国旗「日の丸」を思い描いてみてください。
ほとんどの人は、このくらいはイメージは普通にできるでしょう。私たちは誰でも、頭の中で何かをイメージする能力を持っています。
しかし中には、きちんとイメージできたかどうか自信がないという人や、イメージはできたけども日の丸に色がないという人もいます。
日の丸のイメージでさえそうなのだから、もっと複雑なイメージ、例えば、来週のプレゼンでスピーチしている自分だとか、ゴルフスイングだとかになると、もっと個人差は大きくなるものです。
つまり、イメージとは個人差のある能力であり、そして、もともとイメージ能力が高いという人はいて(もともと筋肉量が多い人がいるように)、そういった人はイメージをたやすくこなすし、その効果を実感しやすいものなのです。
しかし、諦めないでほしい。
イメージは能力=技術であり、地道にイメージトレーニングに取り組める人であれば、必ずイメージ技術は上達します。筋トレを正しく続ければ、筋肉量が増えていくのと全く同じで、イメトレを正しく継続的にやることで、あなたもイメージ技術を高めることができます。
来週のプレゼンを完璧にこなしているイメージが、よりリアルであればあるほど、実際にそのスピーチは成功する確率はあがるでしょうし、寝る前に来週のコンペのゴルフスイングをリアルにイメージできれば、あなたのスコアも良くなる可能性は高いのです。
さらには、様々な場面で、様々なイメージをより鮮明にできるようになり、これまでの低迷から脱出して、あなたの成長が加速するのです。
大事なことは、あなたの目的に合わせて正しく行うということです。ここが多くの人が誤解しているところなので、詳しく説明していきます。
イメージトレーニングの種類と方法
イメージトレーニングと聞くと、大半の人にとっては、イメトレとは、大会で優勝したり、最高のプレーができていることをイメージする「成功イメージ」ではないでしょうか?
実際、アマゾンでイメージトレーニングで検索すると、成功や実現願望に関するイメトレ本がほとんどです。また、テレビやyoutubeなどで、トップアスリートが語るのも、成功イメージが多いです。
確かに成功イメージも大事なイメトレのひとつですが、それだけだと実にもったいないのです。イメージトレーニングは、イメージ技術を高める訓練であり、イメージ技術が高まれば、成功イメージだけでなく、もっと様々なイメージをすることが可能になり、それから得られるメリットも多くなります。
イメージトレーニングの方法は無数にあります。
- 観察イメージ法
- 仮想イメージ法(シャドー)
- 成功イメージ法(アファメーション)
- 客観イメージ法
- 運動イメージ法
- 予行イメージ法(メンタルリハーサル)
それぞれのイメージトレーニングをどこから、どのように始めるかは、あなたの現状のイメージ能力、技能レベル、意欲、目的などで決まってきます。
これらは私がわかりやすく区別するために命名したものもあり、必ずしも正式名称ではありません。まずは、それぞれがどんなものかを見ていきましょう。

イメージトレーニングで期待できる効果とは?
イメージトレーニングには多数の方法がありますが、その効果も多岐にわたります。大きくは次のようなものです。これらのイメトレ効果を見れば、トップアスリートにとって、イメージトレーニングが必須となっている理由もわかるでしょう。
- 本番力向上
- 集中力向上
- 感情コントロール
- ゾーン・フロー体験
- 技能上達
- モチベーション
- 怪我の予防と回復
イメージトレーニングというと、何かを視覚的にイメージするものであり、何かひとつの目的のために行われるものと考えられがちですが、異なるイメージ法は、異なる脳内メカニズムが働いており、それぞれ効果が異なるのです。
例えば、技能上達を促進したいのであれば、客観イメージ法ではなく、運動イメージを行うべきであり、モチベーションを高めたいのであれば、成功イメージがベストなのです。
イメージトレーニングの効果を受け取るには、自分の目的や課題にあったイメージ法を選択してください。多くの場合、イメトレの効果は、すぐには現れません。しかし、正しいイメージトレーニングを続けていけば、必ずしかるべき効果が起こることは、様々な研究から証明されています。信じて頑張ってください。


イメージトレーニングの事例紹介
スポーツ
トップアスリートにとっては、イメージトレーニングはもはや常識となっています。
しかし、実際には成功イメージの領域を出ておらず、まだまだやれることはたくさんあります。
アスリートのイメージトレーニング事例・体験団を紹介します。
2018年PGAプロテスト合格
プロゴルファー 藤田雄紀さん
去年失敗した最終テストでは、絶好調だったところもあり、本番前は何も考えずに迎えました。ところが当日はただただ不安になり、気持ちがフワフワして失敗しました。今年は、先生と一緒に細かいところまで、本番をイメージし、本番に何が起きても動揺することがないように、入念に準備しました。2日目の3番ホールから「6連続ボギー」がきた時も、そんなことも起こるのではないかというイメージしていたので、動揺することなく、巻き返しができましたし、最終日の最終ホールで、これを外せば落ちるという5メートルのバーディーパットも決めることができました。結果、最終テストを1打ぎりぎりで通過する事が出来ました。
会議・プレゼン
顧客への大事なプレゼンや、社内会議などで、ひどく緊張してしまったり、委縮してしまい、本来の自分の力が発揮できないことほど悔しいことはありません。
大事な場面で力を発揮するために、ビジネスマン・社会人のイメージトレーニング事例・体験談を紹介します。

演奏・舞踏
演奏家やダンサーにとっては、イメージトレーニングは宝の山です。
本当に色々な場面で、演奏家としての成長につながるイメージのやり方があります。
「緊張をコントロールして、本番で力を発揮する」はそのひとつですが、あなたの音楽を表現できるイメージトレーニング事例・体験談を紹介します。
緊張しましたが、落ち着いてのびのびと良い演奏ができました。今までとは違ってイメージの中で演奏している時と同じ感覚をリアルに感じられるようになりました。そのためか、本番で弾いてる時は頭の中で音楽が湧き上がって流れてきました。

試験・受験
大学入試、公務員試験、司法試験など、それまで時間をかけて勉強していても、本番でひどく緊張したり、パニックになってしまい、本来の力を発揮できなくなる人も少なくありません。受験生がイメージトレーニングで得られるメリットは少なくありません。