人気漫画『鬼滅の刃』には、鬼を倒す全集中につながる「水・雷・岩・風」といった様々な呼吸の話しが登場します。
鬼滅の呼吸法はフィクションだとしても、呼吸と集中に深い関係があるのは間違いありません。つまり、呼吸を上手くコントロールすれば、集中をコントロールでき、ひいては、あなたが本来の力を発揮できるようになのです。
このページでは、これまで15年以上、オリンピックアスリートを含む1000名以上に、集中力・パフォーマンスを高める呼吸法を個人指導してきたプロのメンタルコーチが、呼吸トレーニングの実践的なやり方について解説しています。
これから呼吸法を始める初心者だけでなく、改めて呼吸法の理解を深めたい心理職やスポーツコーチにも役に立つでしょう。ぜひあなたも鬼滅の主人公たちのように「呼吸の使い手」になってください。
呼吸法を覚えただけでこんなにも自分は変われることができました。今では本当に穏やかで気持ちよく楽に過ごせる日が多くなりました。まだまだトレーニングが必要ですが、これを継続していくとどのように変わっていくのか、この先の自分が楽しみです。
現代社会の鬼=ストレスには、呼吸で対処できる!
鬼滅の世界では、呼吸で鬼を倒しますが、現実の世界には鬼はいません。
しかし、現代社会の鬼ともいえるものがストレスです。ストレスという鬼のせいで、本当に多くの人が悩み苦しみ、集中できず、辛く悔しい思いをしています。しかもどんどん社会に増幅中です。
例えば、自分勝手な人間、本番のプレッシャー、威圧的な上司、過去の失敗、批判や中傷、長時間労働、過酷なノルマなどなどです。新型コロナウィルスによる様々な制約も、鬼といえるでしょう。
そして実は、こういったストレスという名の鬼は、本当に呼吸で対処することができるのです。
多くの人が、会議や発表などの大事な場面で、大きく深呼吸をしたり、意識的に「ひと呼吸」入れたりするだけで、不安や緊張が緩和したり、イライラが鎮まるなどの効果を経験したことがあると思います。
しかし、呼吸をトレーニングすれば、その効果はさらに高まります。いうなれば、刃の切れ味がぐっと高まります!
呼吸トレーニングを正しく地道に続け、大事な場面で実践的に使えるようになると、その期待効果は倍増するのです。
呼吸法とは何か?どんな役に立つのか?
呼吸法とは、意識的に呼吸のコントロールを繰り返し行うことです。
呼吸法は昔からの精神集中、リラックス、感情制御の知恵であり、ヨガ・座禅・瞑想などでは必ず使われるものです。呼吸法そのものを習ったことがなくても、ヨガや座禅などでは体験したことがあるかもしれません。
出産時に推奨されるラマーズ法や、美木良介のロングブレスダイエットも、精神集中やリラックスが主目的ではないにしても、呼吸法のひとつといえるでしょう。
世の中には、それこそありと様々な呼吸法が存在していますが、基本的には「意識的に呼吸をコントロールすること」が呼吸法の定義といえるでしょう。
呼吸法がどんあ役に立つかを一言でいえば、それはストレス対処・ストレスコントロールです。
良くいわれる「精神集中」や「リラックス」というのは、実をいえば、全てストレス対処の結果として生じます。ストレスをコントロールすることで、集中できたり、リラックス状態に入れるのです。
ですから、呼吸法の主効果はストレス対処と考えて間違えありません。
実際、メンタルトレーニング石井塾には、スポーツや仕事で「本来の力が発揮できない状態」に陥っている人が入塾しますが、彼らの悩みの原因となっているものは、あがり症、トラウマ、イップス、対人不安、怒り感情などです。つまりストレスなのです。
入塾者のほとんどは、実はストレスを上手くコントロールできないことで、力を発揮できなくなっています。
ですから、呼吸法でストレスをコントロールできれば、適度にリラックスして、集中できるようになります。
また、ストレスを上手くコントロールできず、慢性的に溜まてしまうと、それは心と体に様々な不具合を生じさせます。
胃痛や胃炎、頭痛、肩コリに始まり、うつ病、適応障害、パニック発作など、本当に様々な心身疾患を引き起こす原因になります。
坐禅やヨガ、瞑想などと同じく、呼吸法は健康維持にも役に立つのです。
呼吸法の種類と方法
ところで、この吸うと吐くを繰り返すだけの呼吸法ですが、世の中には本当に多くの呼吸法が存在して、そのやり方は、実はそれぞれ、かなり異なります。
ちょっと調べただけで、こんな呼吸法が見つかります。
腹式呼吸、横隔膜呼吸、片鼻呼吸、丹田呼吸法、ウジャイ呼吸法、 カパラバティ呼吸法、西野流呼吸法、二木式腹式呼吸法、岡田式呼吸静坐法、火の呼吸などなど。
例えば、一般的な腹式呼吸では、「3秒で吸って、2秒止めて、10秒で吐く」というものですが、格闘家が実践する「火(ほのお)の呼吸法」では、「鼻だけでできるだけ早く」呼吸を繰り返します。
この2つの呼吸法は、同じ呼吸法でもかなり異なりますよね。実際にやってみればわかりますが、火の呼吸はかなり苦しいものです。
ぜひ知っておいて欲しいのは、呼吸の種類や、そのやり方によって、呼吸法の効果は異なるということです。ですから、自分がやるべき呼吸法を正しく選ばないと、全くもって効果が期待できないだけでなく、真反対の結果につながることもあります。
なぜ呼吸法が一番の選択肢なのか?
私はプロのメンタルコーチとして、過去15年以上にわたって、多くのアスリートや演奏家、社会人や受験生などにメンタル指導してきました。そして、過去、全てのクライアントに必ず勧めてきたのが「呼吸法」「呼吸トレーニング」です。
まずは呼吸法から!というのが、この15年、私の一貫したポリシーです。
私の指導実績や、クライアントの声はこちらのページでご覧いただけます。
巷には、ありとあらゆるストレス対処法、集中法があります。プラス思考から自己暗示、性格分析、自律訓練法、食事法、気功、ヨガ、波動などなど。
また、ネット検索すれば、サプリメントやストレス解消グッズも含め、もっと手軽にできるとうたう、もっと多くの検索結果が見つかるでしょう。
しかし、誰が何と言おうと、間違いなく、まずあなたが試してみるものは呼吸トレーニングなのです。
その理由は単純明快です。大半の人にとって、一番簡単にできて、最も効果が高いから。
年齢、性別、性格、職業に関わらず、真面目に呼吸法トレーニングに取り組んだ人のほとんどに効果が期待できます。
それに対して、「考え方をプラスに変える」といったやり方は、その人の元々の性格や考え方の影響を受けるので、Aさんに効果があったものが、Bさんに効果があるとは限りません。
また、その人の年齢や性格によっては、なかなか新しい考え方を受け入れられないことも少なくありません。
呼吸法であれば、本人が理解して始めれば、誰にでも効果が期待できるものです。なぜならそれは、人間の体のメカニズムに基づいているからです。
呼吸法の科学的効果
世の中には、呼吸法なんて、なんか古いし、胡散臭い。怪しい宗教がやっていること。こんな風に思われるかたも未だいます。しかし近年、呼吸法の効果は、様々な観点から科学的に証明されており、その研究成果は莫大で、もう疑う余地がありません。
例えば、不安やストレス軽減、パフォーマンス向上、生活習慣病の軽減、慢性的痛みの軽減、睡眠改善、パニックやトラウマ軽減などですが、例をあげたらきりがありません。
また、医学的・神経生理学的な観点から、呼吸法がもたらす自律神経、ホルモン、免疫などへの影響や関係についても、多くの論文が書かれています。
私見ですが、呼吸の効果は、やはり呼吸が自律神経にもたらす影響から主に生じると考えているので、まずは呼吸と自律神経の関係について解説したいと思います。
呼吸と自律神経との関係を理解しておくと、実際に呼吸法トレーニングをやっていく中で、自分の目的に合った正しい方法を選択できるようになります。
お勧めはレゾナンス呼吸法
これまで見てきたとおり、世の中には本当に多くの呼吸法があります。ヨガや座禅、瞑想の呼吸法に共通するのは、精神集中ですが、それでも吸うと吐くのバランスは、それぞれかなり異なります。
私が勧めるのはレゾナンス呼吸法というものです。
レゾナンス呼吸法では、吸うが5-6秒、吐くも5-6秒です。つまり、吸うと吐くは基本、同じ秒数でバランスを取ります。
これはある意味、交感神経のと副交感神経のバランスが取れている状態ともいえるでしょう。同等に高まっている状態です。非常にシンプルな呼吸法といえるでしょう。
ただ、レゾナンス呼吸法の利点はそれだけではありません。私がこの呼吸法を勧めている大きな理由は、レゾナンス呼吸法が上手くできて、「交感神経と副交感神経のバランスが取れていること」を確認できるツールがあるからです。
このツールを活用すれば、正しく呼吸法を習得することができます。正しくレゾナンス呼吸ができているかを確認しながら、呼吸トレーニングを毎回行えるからです。
如何でしたでしょうか?
呼吸法というのは、一番手軽で効果が高いストレス対処法であることは間違いありません。それでも中には、間違ったやり方を選択してしまったり、呼吸を上手くできない人もいます。
それで呼吸法に効果がないと考えたり、呼吸トレーニングを断念してしまうのは本当にもったいありません。
このページを参考にして、正しい方向性で、正しく呼吸のトレーニングを続け、今後、増え続けるストレスへの正しい対処法を学んでもらえれば、あなたの人生に大きな意味を持つと思います。