レゾナンス呼吸法TMとは、塾長が提唱し、商標登録している呼吸法のやり方です。
海外の医学・生理学・スポーツ心理学の論文に記載されていた「レゾナンス」という生理状態、そしてその状態を作るための「resonant frequency training」についての研究を参考にしています。
塾長が個人指導する全ての人に教えるメンタルトレーニングの基本が、レゾナンス呼吸法です。
あがり症やトラウマ克服を目指す人だけでなく、より高い集中力やパフォーマンス=フローを目指すトップアスリートや演奏家にも必ず実践してもらいます。
正しく続ければ、あなたの人生は少しずつ変わってくるでしょう。
適度な緊張、適度なリラックスこそ、目指すべき心の状態=平常心
世の中には、本当にたくさんの種類の呼吸法があります。
もちろんどの呼吸法もそれなりに有効ではあるのですが、その多くが、単にリラックスを目指すものです。うつ病やパニック発作、心因性の胃潰瘍などを抱えている人が、その症状を軽減するためだけであれば、そのようなリラックス重視の呼吸法も有効です。
しかし、スポーツや仕事、受験や演奏などの場面で、本番前に必要なのは、適度な緊張、適度なリラックス状態です。
ただ単にリラックスするのでは、だめなのです。
テニスの試合の最中に、ベッドの上でゆったりと呼吸をしている状態になることはできませんし、なったとしたら問題です。
レゾナンス呼吸法は、交感神経と副交感神経が、協調的にリズミカルに働き、この適度な緊張/リラックスを作り出せる、最も簡単で、わかりやすい方法です。
やり方は簡単なので、順を追って説明していきます。
レゾナンス呼吸の3ステップ
ステップ① 椅子に座り、姿勢をただす
レゾナンス呼吸では、非常に姿勢が重要になります。椅子には深く腰掛けずに、地面と90度となるように背骨をまっすぐ伸ばしてください。軽く胸を張るような感覚で、少し顎を引いてください。
ステップ② 意識を心臓周辺に向ける
右手をイラストのように心臓の上に置いてみることで、心臓への意識がより簡単になります。心臓への意識は、次のステップでも続けてください。
ステップ③ そのまま5秒間隔で、吸うと吐くを繰り返す
少しだけ深めに、できるだけ自然に、5-6秒間隔で呼吸を繰り返して下さい。
レゾナンス呼吸の注意点
- 呼吸は、吸うのは「口か鼻」、吐くのは「口」で行ってください。
- 当面、目はつぶっておくのが良いでしょう。
- 当面は必ず椅子を利用して下さい
- 当面、朝、昼、夜の3回に分けて行ってください。難しければ、2回でも構いません。
- できるだけ腹式呼吸で行って下さい。
腹式呼吸ができているときには、吸うときに肩が上がらず、お腹だけが膨らみます。肩があがってしまっているときは「肩式呼吸」とか「横隔膜呼吸」といいます。腹式呼吸ができているかどうかを確認するには、一度仰向けに寝てみて、普通に大きく呼吸をしてみてください。自然に腹式呼吸になります。仰向けに寝たままで「横隔膜呼吸」はできません。
レゾナンス呼吸の「補強」
レゾナンス呼吸を繰り返すことによって、平常心をより確実に体に覚えこませることが可能になります。しかし、ただ単に呼吸をするだけでなく、レゾナンス呼吸と組み合わせることで、相乗効果によって、平常心を「補強」し、より高い効果が見込める方法がいくつかあります。
それでは具体的な方法をみていきましょう。
補強策① 香りの活用
現在は、アロマテラピーが人気で、種類も豊富ですし、入手も簡単なので、アロマオイル(精油)を使った方法で説明します。お店でいくつかのアロマオイルを嗅いでみて、自分のお気に入りのアロマオイルを1つ決めます。もし自分では選べないようでしたら、ローズマリーかグレープフルーツをお勧めしておきます。レゾナンス呼吸中は、アロマポッドなどで、香りを部屋に充満させてください。これだけです。
補強策② 音楽の活用
レゾナンス呼吸中に音楽や自然音をかけるのも効果的です。音楽は自分の好きなジャンルで構いませんが、葉加瀬太郎、Gontitiなどの耳慣れたヒーリング系がおすすめです。また、自分で何が良いかわからない人は、モーツアルトをお勧めします。特に「アイネクライネナハトムジーク」という楽曲が入っているCDを探して下さい。
また、今どきは、Youtubeで、本当に様々な音楽がアップされているので、「リラックス、BGM」などで検索すると、お気に入りの音楽が見つけられるだけでなく、手軽に聞くことができるのでお勧めです。
補強策③ イメージの活用
レゾナンス呼吸中に、目を閉じたまま、次のようなことを追体験イメージしてみましょう。追体験とは、過去に起きた出来事を思い出し、再度、体験するという意味です。
一番理想的なのは、誰かに「感謝」しているとき、「感謝」されてうれしくなっている自分を思い出してみるのです。その他には、楽しいこと・嬉しいことを感じている瞬間の自分を思い出すこと。例えば、天気の良い日のゴルフや、ハイキングなのです。次に、リラックスしている自分を思い出すこと。たとえば、温泉やハワイのビーチでのんびりしている記憶を思い出してみるのです。
上記の中で、一番大切なのは、やはりイメージです。なぜならイメージは、いつでも・どこでもできるものであり、本番直前にもできるからです。追体験イメージは、最初はなかなか難しいかもしれませんが、これもトレーニングを重ねることで、少しずつ上手くできるようになります。
また、極度のあがり症の方には、メンタルリハーサルというイメージトレーニングが効果的ですが、メンタルリハーサルは、イメージトレーニングの中でも、かなり難しく、いきなり始めると、ほとんどの人が挫折します(あなたも挫折経験があるのではないでしょうか?)。
ですから、まずは比較的簡単な、この追体験イメージをある程度マスターしてから、メンタルリハーサルに取り組むと、より習得確率が高まるでしょう。
石井塾での個人指導でも、ここに時間をかけることが少なくありません。
平常心を「見える化」させる呼吸法BFSのススメ
レゾナンス呼吸法を、毎日3回、1日トータル20分を目安にトレーニングを続ければ、大半の人は、なんらかの形で、不安やあがり症の改善効果を感じるはずです。しかし、必ずしも効果を感じられない人がいるのも事実です。
その最大の理由が、正しくレゾナンス呼吸ができていないということです。呼吸法が上手くできていない人の多くが、過呼吸ぎみに、苦しい呼吸を我慢して続けています。
私が、数多くのメソッドの中から、レゾナンス呼吸を強く勧める理由は、レゾナンス呼吸が正しくできているかどうかが客観的にわかるツールがあるからです。それが呼吸法BFS(バイオフィードバックシステム)と呼ばれるものです。
呼吸法BFSは、USBで接続するセンサーから心拍数を取得し、瞬時にリアルタイムで解析することで、使用者がレゾナンス状態=平常心にあるかどうかをスマホに表示してくれます。
呼吸法BFSは、開業以来15年、私がレゾナンス呼吸を指導するときには欠かせないツールとなっています。
石井塾で個人指導を受けるほどでもないものの、レゾナンス呼吸法に興味を持った人は、ぜひ活用ください。