呼吸法

呼吸法と自律神経の関係を理解すれば、どんな呼吸をすべきかが見えてくる!

最近、テレビや雑誌、インターネット記事でも、自律神経についてよく耳にするようになりました。順天堂大学の教授で、「MR.自律神経」と呼べるような存在になっているK先生もいて、そのK先生は本当に色々なところで見かけます。

でも、そもそも自律神経とは何なのでしょうか?交感神経と副交感神経の違いは何でしょうか?

自律神経という言葉を知っていていも、その働きについては、まだまだ理解されていない方が少なくありません。

このページでは、自律神経、交感神経、副交感神経などの説明とともに、呼吸がどのように自律神経を関わっているかについて、その生理的メカニズムについて解説していきます。

呼吸法と自律神経の関わりが正しく理解できれば、集中やリラックスを目的とする呼吸法がより深く理解できますし、数ある呼吸法の中から、あなたの目的に合った呼吸法を選択できるようになるでしょう。

自律神経とは何か?何をコントロールしているの?

簡単にいってしまえば、自律神経とは、自分で意図的に制御できない身体機能を「自律的」にコントロールしている神経群です。

具体的には、内臓や血管、皮膚などです。これらは自分では動かせませんよね?

心臓、胃や腸などの内臓はイメージしやすいかと思いますが、体全身に隈なく張り巡らされている血管も、全て自律神経が通っており、その働きで収縮するものです。

このイラストにあるような動脈と静脈は、それこそ大動脈と大静脈ですが、指先などの毛細血管に至るまで、全てが自律神経の影響を受けています。

つまり、自律神経も体全体を巡っているということです。

交感神経と副交感神経 その呼吸との関係

自律神経系には、交感神経と副交感神経の2つの系統があります。

交感神経はよく車のアクセルに例えられ、副交感神経はブレーキに例えられます。つまり、アクセルとブレーキでうまく身体のエネルギーを制御しているのです。

このエネルギーバランスが自律的にうまくできなくなると、いわゆる自律神経失調症となり、様々な身体的不調をもたらします。真冬なのに汗をかいたりするのです。

一般的には、自律神経は意識的にコントロールできないと言われていますが、実はそうではありません。

自律神経に意図的に働きかける方法のひとつが呼吸なのです。

生理学的に分かっていることは、通常、息を吸うときには、交感神経節にアドレナリンが出て、交感神経が高まります。

反対に、息を吐くときには、副交感神経節にアセチルコリンが出て、副交感神経が高まるのです。

吸う=アドレナリン=交感神経活性
吐く=アセチルコリン=副交感神経活性

このように、呼吸をコントロールすれば、意図的に交感神経と副交感神経に影響を与え、自分のエネルギーバランスをコントロールすることができるのです。

あなたに最適な呼吸法はどんなもの?

ネットで呼吸法を検索しているあなたは、呼吸法によって、吸ったり、吐いたりする長さ(秒数)が違うことに気づき、どれがいいのか迷ってしまっている人も少なくないかと思います。

ずばり、あなたはどんな呼吸をするべきなのでしょうか?

その答えは一律ではなく、あなたの目的次第といえます。

これまで見てきたとおり、

交感神経が高まった状態というのは、エネルギー状態が高く、覚醒しています。

副交感神経が高い状態というのは、エネルギー状態は低く、弛緩しています。

つまり、あなたがどんな呼吸をすべきなのかは、エネルギーを高い状態を作りたいのか、リラックスした状態を作りたいのかで決まるのです。

そして、エネルギーを高くしたければ、吸う呼吸を多めに速くするべきだし、リラックスしたければ、吐く呼吸を長くゆっくりとすべきなのです。

そういった呼吸のコントロール(吐くと吸うのバランスコントロール)によって、望ましい自律神経の状態に近づきます。

例えば、演奏や試合の前に、心臓が飛び出るほどドキドキしてしまっているときは、ゆっくり長く吐く呼吸は有効でしょう。

また、試合前にどうも十分に気持ちが上がらず、集中できないということであれば、火の呼吸法もありでしょう。

もう何となくわかったでしょうか?

つまり呼吸法の効果を決めるのは、吸うと吐くのバランスなのです。ここを理解すれば、より状況に合わせた呼吸ができることになるので、呼吸法のより高い効果が期待できるでしょう。

多くの人にとっては長く吐く呼吸が理想なのか?

ここまで読み進めてくれたあなたは、リラックス効果をより高めるために、吐くを長くする呼吸法を選択すれば良いと思われたと思います。

多くの場合、呼吸を始める理由は、ストレス過多の改善でしょうから。

ただ普段から、日常的に呼吸法を実践したり、呼吸のトレーニング習慣を取り入れる場合、同じように、吐くを長くする呼吸法を行うべきかというと、私はそう考えていません。

呼吸法をトレーニングとして考えた場合、私は普段は、等間隔の呼吸を意識したレゾナンス呼吸法を強く推奨しています。

レゾナンス呼吸法で、いつでも平常心を再現できるようになろう!レゾナンス呼吸法TMとは、塾長が提唱し、商標登録している呼吸法のやり方です。 海外の医学・生理学・スポーツ心理学の論文に記載されて...

理由はいくつかあります。

  1. 等間隔の呼吸が一番自然だから
  2. 覚醒or弛緩のどちらでも使えるから
  3. 継続してトレーニングするにあたり、役に立つ支援ツールがあるから
  4. 生理学的に10秒間隔(0.1Hz)は、体全体が共鳴しやすく、心と体に望ましい相互作用を及ぼすから(専門家向けPubmedリンク

結論から言ってしまえば、普段は等間隔の呼吸を練習しておいて、いざというとには、状況に応じて吐くと吸うを調整するのが理想であり、実際、メンタルトレーニング石井塾ではそうしています。

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