試合やプレゼン、試験などで本来の力を発揮できるかどうかは、それまでどれだけ練習してきたか次第。
しっかり準備して、自信を持って本番に挑めるようになることが大事。
スポーツや仕事の大事な場面で、あなたが抱える不安に対して、こんな精神論を平然と語る人がいます。
決して間違っていません。
一般的に、自信があれば、緊張や不安は緩和されます。
確かにそれは「ある程度は」本当です。
しかし、そもそも、心底からの自信を持って、大会本番を迎えられる人がどれだけいるでしょうか?
やり残した練習など、考え始めたらきりがありません。
また、あがり症克服の本を書く人や、インターネットで情報を提供している専門家のほとんどが、「自分はこうやって克服した」的な実体験をベースにしています。
成功イメージだとか、全てプラスに考えるだとか。
もっとひどいのは、何かを食べるとか・・・。
このような情報が、むしろ多くの人を不必要に迷わせているように思います。
もういい加減な経験論や精神論は要りません!
科学的裏付けのある正しい知識を持って、きちんとトレーニングを続ければ、大事な場面でも適度に緊張し、適度にリラックスした状態、「平常心」を再現し、努力に見合った成果を受けとることは可能です。
このページでは、大事な場面で平常心を保つトレーニングを探しているあなたのために、再現できる平常心の考え方と、平常心トレーニングの具体的な方法をご紹介します。
本番への不安・あがり・過緊張の克服で大切なのは、ずばり平常心
あがりや過緊張、気負い過ぎなので本番に弱いあなたに必要なのは、ずばり「平常心」です。
なぜなら、あなたが大事な場面でも、適度に緊張し、適度にリラックスした「平常心」でいることができれば、過度にあがることなく、本当の力を発揮することができます。
「平常心」と聞くと、「根性を鍛える」、「考え方を変える」といった精神論で語られることが多いのですが、実のところ「平常心」は科学的に説明がついており、一定の条件さえ整えば、誰にでも再現できる心身の状態なのです。
つまり、正しいフォームで素振りを続ければ、テニスやゴルフが必然的に上達するように、正しくトレーニングを続ければ、必然的に「平常心」が身につき、誰もがあがり症を克服することができるのです。
私が提唱する平常心メソッドとは、この「平常心」を習得するためのメンタルトレーニング方法です。
平常心メソッドでトレーニングを重ねれば、あなたは自在に「平常心」を再現できるようになり、自分本来の力を発揮できるようなります。
苦手な相手やプレゼンにも自信を持って臨むことができるようになり、スポーツの試合や試験に集中して取り組むことができるようになります。
平常心メソッドによって、科学的にいつでも再現できる「平常心」を身につけ、あなた本来の力を存分に発揮し、充実した人生を手に入れてください。
平常心メソッドを続けていて、人前であがる度合いが、時を増すごとに低くなっているのを感じます。
先月、横浜で行われた全国規模の学会で発表した時も、足が震えることもなく、自分を見失うこともなく、淡々としている自分に驚きました。
また、発表後の感情のクールダウンの必要もなくなりました。すごいですね。
<40代男性>
本物の平常心、偽物の平常心
「前日の予行演習ではうまく説明できたプレゼンが、当日は頭が真っ白になってしまって、説明がしどろもどろになってしまった」
「模擬テストでは解けた問題が、本番の試験会場では解答できなかった」
こんな経験をしたことはありませんか?
また、もしあなたがゴルフをするのであれば、「家で毎日パターの練習をしているのに、本番では1mのパターですら入らなくなってしまった」といった経験や、テニスをするのであれば、「練習では難なく決められるスマッシュやボレーを、試合本番で外してしまった」といった経験があるのではないでしょうか?
そんな経験をしているあなたは、練習場でボールを打っていたあの瞬間、会議前日に一人で予行演習に取り組んでいたあの瞬間こそが、本来あるべき適度にリラックスした「平常心」で、本番でも「そんな心の状態を維持したい」と考えていませんか?
実は、ここに「平常心」に対する大きな誤解があります。
プレッシャーがかかっていない状態では、確かにリラックスして、落ち着いていますが、それは本当の意味での「平常心」ではないのです。
いわば「偽物の平常心」です。
「偽物の平常心」は、純粋にリラックスして体の力が抜けている状態です。
反対に、「本物の平常心」とは、リラックスしているのだけれども、同時に適度に緊張していて、そのバランスを保っている状態です。
仕事においても、スポーツにおいても、高い成果を発揮するためには、この緊張とリラックスの適度なバランスが非常に大切です。
あるテニス選手に平常心の指導をしたとき、以前、彼がコーチから、試合中にリラックスするための方法の指導を受けたことがあると話してくれました。
彼が受けた指導というのは、具体的には、ソファに横たわったり、地面に横になったりして、体の力を抜いて、ゆっくり深呼吸を繰り返すというものだそうです。
この方法で、確かに自宅ではリラックスできたそうです。
しかし、そのダラーっとしたリラックス状態は、試合中の緊張したメンタル状態とはあまりにもかけ離れており、役に立つとは思えなかったので、続かなかったという経験があったそうです。
「リラックスした緊張」を作り出す平常心メソッドを指導したところ、すぐに、これなら試合中や試合直前だけでなく、練習中も十分に使えそうだと納得してくれました。
というのも、「リラックスした緊張」とは、スポーツだけでなく、仕事や勉強のための「集中状態」とも言えるものだからです。
仕事においても、スポーツにおいても、高い成果を発揮するためには、この緊張とリラックスの適度なバランスが非常に大切です。
平常心の科学 「平常心」は見ることができる!
平常心は見ることができる。
私がそんなことを言ったら、あなたは驚くかもしれません。
しかし、本当に平常心は見ることができるのです。
ただし、バイオフィードバック機器というものを使っての話です。
バイオフィードバックとは、「バイオ=生体」の「フィードバック=情報を返す」という意味で、センサーなどを使うことで、様々な生理情報を、リアルタイムで計測し、モニタなどに映し出してくれる装置です。
嘘発見器(ポリグラフ)は、バイオフィードバックの一番わかりやすい例です。
嘘発見器では、嘘をついたときに動揺するという生体反応(=ストレス反応)を検出し、それをグラフ化するものです。
最近では、テレビのバラエティー番組などでも、ポリグラフをよく見かけるようになりました。
ストレス反応を検出できるということは、反対に考えると、冷静で落ち着いているとき(=ストレス反応が起きていない状態)も測定でき、観察することができるということになります。
それでは、本サイトで強調している「本物の平常心」、つまり適度に緊張し、適度にリラックスした状態とはどんな状態なのでしょうか?
1990年後半以降、心理学・神経学の世界で、そんな状態があることが分かってきており、レゾナンスとかコヒーレンスと呼ばれています。
心理学・神経学の研究から判明しているのは、ストレスがかかっている状態では、心拍数は速くなったり、遅くなったり、非常に不規則になり、心拍数の変化(心拍パターン)は下記のイラストのようになります。
反対に、冷静で落ち着いている状態(=レゾナンス)では、心拍数は、速くなったり、遅くなったりを安定的に繰り返し、心拍パターンは非常に規則的な波を描きます。
心拍数が上昇するということは、自律神経系の交感神経が高まり、体が緊張することであり、心拍数が下降するということは、副交感神経が高まり、体が弛緩(リラックス)するということです。
つまり、レゾナンスは、体が緊張させる交感神経の働きと、体をリラックスさせる副交感神経の働きが、交互に一定のリズムで繰り返している状態といえます。
言ってみれば、アクセルとブレーキの動きがコントロールされ、一定のスピードを保っている、というような状態です。
自律神経は、心臓や胃腸などの内臓全般、血管、汗などをコントロールしている神経ですが、その神経の働きがバランスを取れているというのは、同時に心もバランスが取れているということになるのです。
昔からよく使われる「心身一如(しんしんいちにょ)」とは、「精神と肉体が一体になること」「物事に向かって集中している様子」を意味しますが、レゾナンスは、まさに体と脳が一体のリズムで動いている状態といえるのです。
いつでも再現できる平常心を鍛えよう!呼吸法BFSを活用したトレーニング
それでは短時間で平常心=レゾナンスを再現できるようになるには、具体的に何をすれば良いのでしょうか?
心拍や自律神経をコントールするうえで、一番効果的なのは呼吸トレーニングで間違いありません。
私がお勧めしているのがレゾナンス呼吸法です。
ステップ① 椅子に座り、姿勢をただす
レゾナンス呼吸では、非常に姿勢が重要になります。
椅子には深く腰掛けずに、地面と90度となるように背骨をまっすぐ伸ばし、軽く胸を張るような感覚で、少し顎を引いてください。
ステップ② 意識を心臓周辺に向ける
右手をイラストのように心臓の上に置いてみることで、心臓への意識がより簡単になります。心臓への意識は、次のステップでも続けてください。
ステップ③ そのまま5秒間隔で、吐くと吸うを繰り返す
少しだけ深めに、できるだけ自然に、5-6秒間隔で呼吸を繰り返して下さい
ただ、なんとなく呼吸法をやっても、本当にレゾナンス状態になったのわからないので、なかなか呼吸トレーニングを継続するのは難しいです。
そこでお勧めしたいのが、前に紹介した呼吸法BFS(バイオフィードバックシステム)です。
呼吸法BFSとは、専用センサーであなたの心拍数を測定し、それを即時にパソコンやスマホで表示するシステムのこと。
呼吸法BFSを活用すれば、あなたがレゾナンス呼吸法を正しく実践できているかがわかるのです。
わかりやすく使い方を説明すると、こんな感じです。
簡単でいいんです!!
大事なことは、迷いやストレスなく続けられること。呼吸法BFSは、あなたが呼吸法を正しく学習し、飽きず続けるための支援ツールです。
とにかく簡単でわかりやすいこと。それが呼吸法BFSの最大の利点です。
塾長は、過去15年以上にわたり、一般社会人からアスリート、音楽家、経営者、学生などに、メンタルトレーニングを個人指導してきました。これまでの指導人数は1000名を超えようとしています。
その全員に、呼吸法BFSを使ってきました。
この呼吸法BFSはおよそ3-5万円ですが、その価格に見合う、本当に役に立つ商品です。
ぜひこの機会に呼吸法BFSを検討してみてください。
呼吸法BFSにはパソコン版、携帯版、スマホ版があります。個人的に使うのであれば、私がお勧めするのは、ずばりスマホ版です。
スマホ版は、センサー接続方法の違いで、Lightning版、Bluetooth版、USB-C版があります。価格は36000~46000円です。
平常心は「ココロのホームポジション」
自在に「平常心=心拍のレゾナンス」を再現できるようになれば、もうどんな状況でも怖くはありません。
もちろん、不慣れなこと、初めてのことであれば、緊張はします。
それを完全に避けることはできません。
しかし、これまでのように、頭が真っ白になってしまうほど、緊張しすぎることはありません。
なぜなら、体のメカニズムとして、「平常心」であるときには、ストレス反応はコントロールされているので、過度のストレス反応で頭が真っ白になってしまうことはありえないからです。
ホームポジションとは、タイピングにおける「常に指を戻すべき場所」です。キーを叩いたあと、常に同じ場所に戻ることによって、次のキーを叩きやすくなります。
平常心をいつでも再現できれば、プレゼンの途中で小さな失敗があったとしても、それは能力の範囲であり、不可避であることを冷静に受け止められるようになり、思考と感情の悪循環を断ち切ることできるようになります。
これまでの対処法の多くは、「あれもしなさい、これもしなさい」的なものばかりで、逆にできないことばかりが増え、結果的に焦りに油を注いでしまうことが多かったのです。
焦ってしまったときには、反対に、ひとつのことに集中したほうが、より上手く対処できるものなのです。
その一番の選択肢が、呼吸法であることに、コーチ生活20年ですが、私は疑いを持っていません。