将来の演奏家を目指して、小さいころから、ある楽器に真剣に取り組んでいるNさん。東京芸術大学への進学を目指す受験生です。
しかし、元々プレッシャーに強いほうではなく、毎回必ずというわけではなかったものの、コンクールや発表会などでは、緊張から、パフォーマンスを発揮できないことがありました。
それは、芸大付属高校を受験したとき、そして、昨年、芸大を受験したときの、実技試験でも起きてしまい、ともに不本意な結果に終わりました。
そんなNさんが今年7月に入塾したのは、少し前に入塾していた伯父のYさんから紹介を受けたからでした。
受験は2月ですから、それまでに、できる限り、小さい演奏会やコンクールに出場し、メンタルトレーニングの成果を実感しながら、本番に備えるという戦略を立て、呼吸法からイメージトレーニングの指導を重ねていました。
そんなNさんから、先日、こんな報告メールをもらいました。
こんばんは。いつもお世話になっております。
今日のコンクール、結果は優秀賞で全国大会にいけることになりました!
緊張しましたが、落ち着いてのびのびと良い演奏ができました。演奏ではまだまだな所が多いですが、今回メンタル面では良い状態だったと思います。舞台袖での呼吸も上手くできました。前回からまたイメージが上手くできるようになり、今までとは違ってイメージの中で演奏している時と同じ感覚をリアルに感じられるようになりました。そのためか、本番で弾いてる時は頭の中で音楽が湧き上がって流れてきました。
おかげさまで、ありがとうございました。次回よろしくお願いします。
Nさんは、8月からイメージトレーニングを始め、8月下旬には、そこそこ上手く、簡単なイメージができていました。
しかし、9月後半から10月に入り、以前のようなイメージができなくなっていて、10月の2回のセッションでは、その原因分析と対策を指導しました。それが功を奏したのか、<前回からまたイメージが上手くできるようになり、今までとは違ってイメージの中で演奏している時と同じ感覚をリアルに感じられる>というメール報告に繋がっています。
勝負は受験本番なので、まだまだ気は抜けませんが、石井塾で教えているのは呼吸のコントロールやイメージという技術であり、こういった技術は、回数と経験を重ねるたびに、強固になります。
本番で緊張するのは当たり前ですが、少しくらい緊張しても、この技術が、力の発揮を支えてくれるものです。受験前に、全国大会での演奏機会ができたので、そこでさらに経験を重ね、自信をつけ、本番を迎えてほしいと思います。
そうそう、Nさんを紹介してくれた伯父のYさんも、ある楽器に長い年月、情熱を注がれた人で、その熱意に感銘を受けました。また近々、紹介したいと思います。