最近、マインドフルネスと呼ばれる瞑想が流行っています。昔から瞑想本というのは、書店の自己啓発や精神世界のコーナー、健康管理のコーナーには、たまに置かれていましたが、今では、アップルコンピュータの創業者のスティーブジョブスや、グーグルが社員研修で取り入れたことななどから、ビジネス書のコーナーにも複数の書籍が並んでいます。
新しく相談に来られる塾生の中にも、アスリートであれ、ビジネスマンであれ、もともと自分で瞑想をやっていたという人も少なくありません。
瞑想はメンタルトレーニングの方法としては素晴らしいものですし、石井塾の呼吸法やイメージトレーニングを重視するアプローチにも、とても共通しているところがあります。
実際、瞑想でよく勧められる基礎的な方法というのは、
1)姿勢を良くして座る
2)呼吸を整える
3)雑念にとらわれず、今ここを感じる(呼吸だけに意識を向ける)
というものであり、石井塾で勧めているレゾナンス呼吸とほぼ一緒です。
塾生からも、瞑想の効果って、どうなんですか?とよく質問されますが、結局、メンタルトレーニングとしての瞑想の効果は、呼吸法と同じで、定期的に行えば、日常生活におけるストレスや不安を低減し、より気分よく過ごせることでしょう。そういった意味では、普段ストレスを溜めてしまっているビジネスマンや、大事な試合が近づいていたり、スランプに陥っているアスリートなどには、特にお勧めできるものです。
瞑想や呼吸法が、単なるスピリチュアルな方法ではなく、科学的にメンタルヘルスや脳の活性化につながることが広く知られることになったのは喜ばしいことだと思います。数年前に、以前に勤めていた会社の先輩に偶然に会ったとき、私が今はメンタルトレーニングの専門家として、主に呼吸法を教えていると伝えたら、「なにそれ、少し怪しいねー」と、半分冗談交じりでしたが、そんな反応が戻ってきました。その先輩は、出世して、当時、その上場企業の人事部長をしていましたが、そんな人物ですら、そんな認識だったのです。それから考えると、呼吸法や瞑想は、一気に社会的に広まった感があります。
ただ反面、瞑想・マインドフルネスは、とりあえず始めてみても長続きしないひとが多いです。恐らく、瞑想はなかなか直感的に効果を強く感じることができないし、また上手くできているかどうかわからないからです。その意味で、石井塾では、敢えてまず瞑想を教えることはしません。同等の効果を得るには、まずは呼吸法で十分であり、またレゾナンス呼吸であれば、エムウェーブのような心拍のバイオフィードバックツールを活用することによって、そのメンタルトレーニング効果をリアルタイムでフィードバックできるからです。
瞑想・マインドフルネスについていえば、心拍や脳波の変化で、効果を測定することは可能です。手ごたえとフィードバックこそ、学習・スキル習得において最も重要な要素なので、こういった時代において、こういったテクノロジーを使わない手はないかと思います。