塾長の石井です。
トップガンコーチングは、2023年から新しく始める「トレーダー向け」の新プログラムであり、私にとっても「新しい挑戦」です。
実は、トレーダー向けのプログラムは今回が初めてではなく、10年以上も前にも取り組んだことがありました。
しかし、2年くらいで辞めることにしました。
なぜなら、なかなか結果が伴わなかったからです。
当時はまだ、平常心メソッド=呼吸法の指導が中心でしたが、それだけではFXトレードの感情コントロールには不十分だったのでしょう。
一時的に感情が落ち着いても、やはりどこかで感情が制御できなくなり、コツコツドカンを犯してしまうトレーダーが何名かいました。
FXのメンタルトレーニングは、そんなに簡単なものではないと痛感したので、プログラムは廃止して、受け入れも休止しました。
結果がでない領域では、指導はやらないというのが、コーチとしての私の信条です。
なので、2010年頃から2020年くらいまでは、トレーダーの塾生はいませんでした。
運用会社のファンドマネジャーはいましたが、彼はトレーダーではなく、トレーダーを管理する立場でした。
レーダー向けプログラムを再開するに思い立ったきっかけ
2022年にトレーダー向けのプログラムを再開しようと思い立ったきっかけは2つありました。それは
1)外資系ヘッジファンドのトレーダーの入塾
2)FXの投資塾に長く通っていた自営業の方の入塾
です。
(1)外資系ヘッジファンドのトレーダーSさんの入塾
ひとつめのきっかけは、2021年冬に私のビジネスアスリートプログラムを受講された某ヘッジファンドのトレーダーSさん(30代男性)でした。
Sさんは、〇大卒業後に投資銀行に入り、そのあと外資系ヘッジファンドにスカウトされ、転職したそうです。
Sさんの所属するヘッジファンドでは、2期連続でマイナスを出すとクビになるそうですが、彼は入社後8年に渡り、連続で10億単位の収益を達成していました。
もういつクビになっても、しばらく家族ともども安泰に暮らしていける貯金はできたそうです。
しかし、毎年1月から始まる投資年度においては、途中マイナスになってしまう時期もありました。
また、日本グロース株を担当していることから、NY市場が終わったとたんに、手持ちの日本株がマイナスになることがほぼ確定してしまうときなどは、かなり気持ちが落ち込み、家族といい時間が過ごせなくなったり、本来やるべき分析業務が疎かになってしまうこともあったそうです。
こんなに優秀で、結果も出しているファンドマネージャーであっても、やはりトレード結果に、メンタルやパフォーマンスに影響を受けてしまう。
Sさんとの経験で、それがよくわかりました。
Sさんのケースでは、もともと手法も勝ち方もわかっており、メンタルの安定だけが課題だったので、呼吸法を中心とした「平常心メソッド」を指導するだけでした。
それだけで気分の落ち込みをかなり減らすことはできたので、2か月で気持ちよく卒塾しました。
彼のような本物の専業トレーダーですらそうなのですが、多くの兼業トレーダーが、感情が不安定になり、メンタルが崩壊してしまうのは、ある意味仕方がないことです。
(2)FX投資塾に通っていた自営業Tさんの入塾
2つめのきっかけは、2021年秋に入塾された兼業トレーダーTさん(30代後半・男性)です。
Tさんは、その2年くらい前にも、一度入塾申し込みがあったのですが、前述の理由で相談をお断りしていました。
2021年の再度の申し込みでは、とても詳しく状況や希望が書かれていました。
簡単にまとめると、彼が師匠から学んでいるチャート分析の手法を、もう何年もやっているのに、なかなか理解し、自分のものにできないということでした。
Tさんより後に投資塾に入ってきた人たちが、Tさんを追い抜き、結果を出し始めていることにも、非常に焦りを感じていました。
FXで収益を上げることではなく、その分析手法を理解し、使えるようにすることが、Tさんの受講目的であることでわかったので、例外として、Tさんの入塾を受け入れることにしました。
集中コースのセッションで詳しく話を聞いていくと、Tさんは本当に一生懸命に、チャート分析の手法を勉強していました。
しかし、私から見ると、その勉強方法は画一的であり、同じようなことを繰り返していました。
Tさんも、私の下記ブログ記事を読んで、そこに問題があることがわかっていましたが、じゃあ何をしたら良いのかもわからなかったし、師匠も教えてくれなかったそうです。
ただ、色々と話を聞くと、まだまだ勉強のやり方に工夫が足りないこと、かなり効率の悪い方法をやっていることがわかったので、学習科学の観点から、よりチャート分析の理解が進むような学習方法を提案しました。
Tさんは学歴はないのですが、非常に真面目な方でした。
ただ真面目なだけでなく、新しい学習方法を試すために必要な簡単なプログラムを、自分では作れないので、クラウドワーカーを使って作るなど、動きも悪くありませんでした。
とはいえ、長くFXで結果を出せておらず、また投資塾での「落ちこぼれ」感も大きかったことから、途中、精神状態が落ち込んだこともありましたが、短期集中コースが終わるころには、かなり前向きにチャート分析に取り組んでいました。
勉強方法を見直すことが目的だったので、その目的を達成して、Tさんは卒塾しました。
FXで本当に勝っている人はいるのか?それはどんな人たちなのか?
Tさんとの経験の中で、私も改めてFXについて色々と調べてみると、専業・兼業を問わず、世の中には本当に勝っている兼業トレーダーは大勢いるということでした。
調べてみたのは、SNSだったり、FX情報サイトだったりです。
ここではリンクは貼りませんが、「FX 勝ち組 インタビュー」などで検索すると出てきました。
高額セミナーや、商材を売っているようなトレーダーは全く信用していません。
そもそもトレードで本当に勝てているのであれば、そんなことをする必要がないからです。
そんな偽物にだまされることはありません。
私は、多くのプロフェッショナルたちと関わるこの仕事を長年行っていることもあり、なんとなくですが、物事を深く理解し、実行している人は、発言からわかります。
何か本物感がにじみ出てくるものなのです。
勝ち組の人たちのインタビューや動画を見ていく中で、「この人は本当に勝っているな」と確信できることが何度もありました。
また同時に、トレーダーの間ではバイブルになっているような投資本も読んでみました。
ブレッド・スティーンバーガーの『トレーダーの精神分析』や『悩めるトレーダーのためのメンタルコーチ術』、マーク・ダグラスの『規律とトレーダー』、アリ・キエフの『トレーダーの心理学』など。
どれもなかなか読み応えのある本です。
彼らが共通して論じていたのは、『一流トレーダーになるには、一流アスリートや演奏家になるのと同じで、内面と向き合いながら、トレード技術を磨き上げること』。
また、共通して『独自のエッジ(強み)を見つけて、そこを磨いて勝負すること』とも言っています。
10年前にFXトレーダーに教えていたのは、単なるメンタルコントロールの方法だけだったので、それではうまく行くはずもありません。
トレードで結果を出すには、メンタル(内面)だけではダメ。
メンタルと向き合いながら、どのように自分の強みを見つけて、そこを磨いて伸ばしていくか?
それを指導するノウハウを、当時の私は持っていませんでした。
10年の休止期間中に、私が地道に重ねてきた知識と経験は、トレーダー教育に役に立つ!
しかし、休止していた10年で、私が地道にやってきたことこそ、クライエントが内面と向き合いながら、技術や強みを磨いていくことの支援でした。
石井塾に入塾するほとんどのアスリート、演奏家、囲碁将棋の棋士、経営者、戦略コンサル、会計士などは、試合本番やプレゼンで結果を出すために、あがり(過緊張)の克服が目的です。
その目的を達成すると、概ね半数以上、いや8割近くが卒塾します。
しかし、残りの2割は、私からもっと多くを学びたいと、そのままコーチングを継続します。
そのような私を信頼してくれている塾生に対して、私は、日々、より高いパフォーマンスを発揮するための指導法を探求し、試行錯誤してきました。
そして、少しずつ多くの実績とノウハウを積み重ねていくことができました。
私はスポーツも楽器演奏も全くの素人ですが、それでも一緒に問題の本質を探り、心理学・脳科学・学習科学などの専門的な観点から、どのように対処していくかの助言を行ってきました。
その助言をもとに、彼らは準備し、本番を迎え、そして結果を一緒に振り返りました。
その繰り返しです。
そして、その繰り返しの中で、多くの塾生が結果を出してくれました。
学習科学のなかでも、私がとりわけバイブルにしているのが、エリクソンの『超一流になるには、才能か努力か?』です。
彼はスポーツ、演奏などの分野で、超一流レベルにまで届いた人たちを調べて、彼らがどのような生活を送り、どのような練習を重ねていたのかを研究を重ねていきました。
彼の学習理論を参考にして、私も塾生への指導を重ねていたのです。
改めてエリクソンの本を読む中で、この学習理論はFXという知的ゲームで、トッププレイヤーになるためにも役に立つはずだと確信しました。
実際、トップガン教育の驚くべき効果は、この本から引用しています。
もちろん、全員がなれるわけではなく、適切な資質と、正しい努力が必要です。
しかし今の私には、資質を持った塾生の、正しい努力を後押しできる自信があるのです。
メンタルコントロールに加えて、どのような練習(勉強)が、本当の上達を導くのかを教えることができます。
少し長くなりましたが、これが私が10年の休止期間を経て、2023年からトレーダー向けプログラムを再開した理由です。
まだ始まったばかりですが、数年後には、複数のトップ1%のデイトレーダーを誕生させたいと考えています。
あなたもその一員を目指して、一緒に頑張りませんか?
このページの最後までたどり着いたあなたには、その資質がある可能性が高いです。