FXトレーダーにとってのメンタル強化戦略は、高いプレッシャーの中で、結果を出し続けることが求められる、プロスポーツの世界が参考になります。
野球、サッカー、ゴルフなど、とりわけ競争が厳しいスポーツでは、自分の「強み」を生かして勝負することが、そこで勝ち残る秘訣です。
誰にも負けない「強み」があることで、メンタルが安定し、自信を持って、勝負できるからです。
FXトレードも同じ。
FXで勝ち残るには、あなた独自の強みを伸ばす方向で、トレード技術とメンタルを鍛えていくべきなのです。
この記事では、多くのトップアスリートの指導経験を持つプロのメンタルコーチが執筆しています。
楽して勝てる方法を教えることはできませんが、強者がひしめくFXの世界で勝ち組になるための羅針盤にはなるはずです。
ぜひ参考にしてください。
FXは投資であり、投資は自己責任です。あなたの大事なお金を失う可能性があります。安易にFXをお勧めしているのではないことはご理解ください。
あなたがFXで勝ちきれないのは、メンタルが弱いからか?
あなたはこれまで長くFXトレードに取り組んできて、トレード経験を重ね、手法も勉強して、そこそこ勝てるようにはなっているのではないでしょうか?
週単位や月単位では勝てるときはあるものの、ときどき、大きく負けてしまう「コツコツドカン」を起こしてしまい、なかなか収益が安定しない。
そんな課題を抱えて、メンタル面の対策を探しているのではないでしょうか?
マイルールが守れないのは、メンタルが弱いからで、それを克服したいと情報収集されているのではないでしょうか?
確かに、そういった「弱み」や「苦手分野」を克服することは大事ですが、FXで上位を目指すのであれば、そこに強くこだわっていてはいけない、というのが私の考えです。
そうではなく、あなた独自の「強み」を探し、それを伸ばしていくことをお勧めします。
なぜなら、FXのように競争が厳しい世界では、プロ野球選手たちと同じく、何か強みを持った人が生き残るものだからです。
プレッシャーの高いFXの世界で、あなたが生き残るためのメンタル強化戦略とは?
プロ野球のような超ハイレベルな環境の中で、結果を出さないと使ってもらえないというプレッシャーは半端ではありません。
ドラフトにかかり、プロの世界に入ってくる選手でも、毎年100名以上います。
そして、そこからまた競争が始まるのです
名将といわれた野村監督は、プロの世界に入ってきた選手にそれほど実力の差はなく、あとは本番で力を発揮できるかどうか?と常々言っていました。
練習では150キロを出せるのに、試合では出せなくなる投手が大勢いるそうです。
しかし、そんな厳しいプロ野球の世界でも、ドラフト下位指名の選手が、入団後数年かけて頭角を現し、一流選手の仲間入りすることもあります。
そういった選手の特徴は、例えば野手であれば、守備、走塁、バント、投手であれば変化球や特徴的な投げ方(サブマリン)など、プロの世界で生き残るために、誰も真似できない独自の技能を磨き続けていたということです。
もし彼らが、ただ早い球を投げる、打球を遠くに飛ばすことだけを目指していたら、一軍で活躍することなく、球界を去っていたでしょう。
FXの世界も同じです。
FXで、いきなり安定収益を上げられるトレーダーはほんの一握りです。
FXという厳しい世界で生き残るには、あなた独自の強みを生かし、あなたにしかできないトレード手法、勝ち方を生み出すしかありません。
トレード本や商材に書いているだけの手法で、勝てるようになるわけないのです。
どんな手法も、あなた独自の強みを付け加えた形にしないと、それ自体はただの理論に過ぎず、理論だけでは勝てるわけがありません。
なぜなら、誰でもできてしまうからです。
プロ野球の育成選手から学ぶ、強みを探して磨き、メンタル強化の方法
私があなたが目指してほしいのは、FXで安定して勝てるトレードスタイルで、SNSなどで大勝報告をしているような億トレーダーではありません。
まずはここをしっかり頭に入れてください。
ネットの億トレーダーたち(テスタ氏、スパシーバ氏)は、才能に恵まれ、かなりのハイレバで一気に資産を増やした人たちがほとんどです。
プロ野球の世界でいえば、松坂大輔や大谷翔平です。
あなたは、ドラフト1位指名が複数競合するような、こんな大スターではないのです。
彼らのトレードを真似してはいけません。
あなたはドラフト6位どころか、育成契約で入団した選手です。
そんな育成契約のあなたが、焦らず地道に、目の前の練習や試合でコツコツ結果を出して、NPB契約を獲得するために、何ができると思いますか?
まずはプロの世界で負けない体づくりに取り組みながら、心と技術を磨いていくべきですよね?
育成選手が、ハイレバで一気に頂点を目指していくようなトレードは、イチかバチかのギャンブルです。そこからは何も学べません。
実際、育成契約にもかからないような初心者が、いきなりハイレバに手を出して(実力以上のトレードをして)、一気に資金を失い、退場していくのがFXの世界です。
改めて尋ねますが、あなたがまだ実力が伴わない、育成契約の野球選手であるとすると、今の育成契約を更新してもらいながら、NPB契約を目指すには、何ができると思いますか?
もちろん、投手と野手では違いますが、どうやって上を目指すのでしょうか?
まずやらなければならないのは、冷静に自分の力を分析することです。
プロの世界に入ったのであれば、まわりの選手はもの凄くハイレベルです。
育成選手とはいえ、これまで中学・高校・大学と、あなたはスーパースターだったはずです。
でも、プロ野球では(FXトレードの世界では)、一番の末端です。
そんな世界で、クビにならずに生き残るためには、冷静にライバルを分析し、自分が輝ける技術を探し、それを磨いていくしかないのです。
数少ない貴重な打席機会において、長打か三振かといった博打的なスイングをしていたら、来年は契約してもらえません。
もちろん、あなたがスラッガーで、空振り三振しても、しっかり振り切ることを意識して打席に立つのであれば、全く問題ないです。
しかし、冷静に自分を分析して、今の力で長打を期待するのが難しいのであれば、右方向への打球を意識したり、走者を進めたりするスイングをするのもありでしょう。
そういった細かいところをコーチや監督は見ているもので、それが次の打席機会につながるものです。
そして、そういった打席機会(実戦)を重ねていく中で、あなたはプロ野球で戦っていくうえでの自分の強みというものが分かってくるはずです。
さらには、その強みを伸ばして、確実にランナーを進めることができるバッティングを身につければ、あなたは戦力外通告に戦々恐々とするのではなく、迷いなくバッターボックスに入ることができるようになるでしょう。
あなた独自の強みが見つけ方 メンタル負荷の少ないトレードスタイルを探す
それでは、あなたがFXの世界で、自分の強みを見つけるにはどうしたら良いのでしょうか?
まず大きなところでは、トレードスタイルを決めるところからになります。
FXのトレード方法は、スキャルピング、デイトレ、スイング、EA(自動取引)などがありますが、あなたがトレードできる環境が、まずはどれを選ぶか大事になります。
ただ、この辺りはもう決まっている人がほとんどでしょう。
やはり本当の意味で大事なのは、今のトレードスタイルのなかで、よりメンタル負荷が小さく、勝てているところを探っていくことです。
既に一定のトレード経験があれば、過去のトレード履歴を検証して、どこで勝てているのか?を探っていきましょう。
例えば、ロングで勝てているのか?ショートで勝てているのか?
勝ちトレードのポジション保有時間はどのくらいか?などを深堀していけば、色々なデータが分かるはずです。
こういったことを分析検証して、あなたの強みを探していくのです。
ただ、これまで漠然とトレードしてきた人だと、これらのデータはかなり散らかっている可能性があります。
私がお勧めするのは、無理なく「損切り」できたトレードをよく見ていくことです。
無理なく損切りできたところ、諦めがついたところは、あなたにとって適正なトレードで、メンタル負荷が小さかった可能性が高いからです。
よく言われるとおり、損切りは「必要経費」であり、FXトレードでは失敗ではないのですから、そこから学ぶことはたくさんあるはずです。
あなたが無理なく損切りできて、その上で利益を伸ばせるようなトレードスタイルが、あなたが伸ばすべき強みになるはずです。
FXでは、よく「マイルールを守ること」が大事だと言われます。
マイルールを守れず、損切りを先延ばしして大損してしまった。何で自分はダメなんだろう。というようなtwiterもよく見かけます。
しかし、FXで勝っている人たちのインタビューなんかを見ると、勝因は、損切りポイントが守れているからというわけでもありません。
自分の弱いところばかりを意識しても、FXという厳しい世界で勝負することはできないのです。
こういった競争の厳しい世界では、他の誰もが到達できない技能を習得してこそ、やっと勝負の土俵に立てるのです。
こういったチャートになればだいたい勝てる。トータルでは負けないという自信がつけば、損切りルールなどを作らなくても、いつでも損切りできるようになるものです。
そんな技能を身につけるには、苦手なところで我慢していてもダメ。
この分野なら誰にも負けないと思えて、努力を続けられる領域で勝負しなければいけないのです。
数学が好きで、統計分析もいとわないのであれば、EAをどんどん改良していくのでいいでしょうし、昔から格闘ゲームやパズルゲームといった瞬発系のゲームが得意であれば、スキャルピングで勝負すべきなのです。
もちろん、毎日の習慣をきっちりとこなすことに生きがいを感じるような人なら、マイルールを徹底したトレードを究めていけばいいのです。
最後に
これまで心理の世界に長く身をおいて、つくづく思うのは、自己分析ほど難しいものはないということです。
それは私自身にもよく当てはまりますが、これまで多く接してきたクライアントのことを考えても、正しく自己分析できている人は少ないです。
その意味で、やはりマンツーマンのコーチングというのは、継続的なコミュニケーションと、コーチからのフィードバックを通して、少しずつ自分を正しく理解していく有効な手段であるということ。
あなたが自分の強みと弱みを理解するのに有効だと思います。