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超一流になるのは才能か努力か?

少し前に読んだ本のタイトルですが、この質問に関する答えは、才能でも努力でもなく、練習方法で決まるというものです。

この本の著者はフロリダ州立大学の心理学部教授で、スポーツ・音楽・チェスなどのトッププレーヤーのパフォーマンス研究を行っています。そこから超一流になるために、彼らが採用している練習方法にはある共通の原則があることを見出し、それをわかりやすく一般向けにまとめた本です。

教授自ら書いたのではなく、ライターが代筆しているので、比較的読みやすい文章になっています。本の帯に書かれている、練習方法に関する10つの鉄則は、下記のようなもので、これだけでも参考になるところはあるかなと思うので、全て紹介したいと思います。

  1. 自分の能力を少しだけ超える負荷をかけつづける
  2. 「これで十分」の範囲にとどまっていると、一度身につけたスキルは落ちていく
  3. グループではなく、一人で没頭する時間を確保する
  4. 自分の弱点を特定し、それを克服するための課題を徹底的に繰り返す
  5. 練習を「楽しい」と感じていては、トッププレーヤーにはなれない
  6. これ以上集中できないと思った時点で練習や勉強はうちきる
  7. 上達が頭打ちになったときは、取り組むメニューを少しだけ変えてみる
  8. 即座にフィードバックを得ることで、学習の速度は劇的に上がる
  9. オンの時間とオフの時間をはっきり分け、一日のスケジュールを組む
  10. どんな才能も生まれつきの才能ではなく、学習の質と量で決まる

ただ、上記の10つの鉄則は、まあなんとなく頭では理解できるものですが、じゃあ実際に普段の練習方法をどう見直せばいいのか?練習スケジュールを組めば良いのか?そこまでわかる人はあまりいないでしょう。

実際、私が普段、アスリートや音楽家の「卵」たちと接して感じていたのは、これからトップを目指していくステージにあるにも関わらず、このレベルの人たちの練習方法やスケジュール管理がかなり雑だということです。時間をかけているし、努力もしているものの、統一感がなく、練習を「やり散らかしている」感じがとても強いのです。こういった練習方法の問題点は、成長や結果につながらないので、モチベーションが下がってしまうことにあります。

また、しっかりとした技能が身につくことで得られるはずの自信がないと、結局、どんなに本番でメントレをしても、発揮できる力は限られます。

ですから、私は、以前から、特に若い塾生には、長期的な成長を目指した練習方法の構築・見直し指導を重点的に行っています。先月入塾したゴルフのプロテスト受験生や、東京藝大(音楽)の受験生には、まずは練習やスケジュール管理の見直しを指示したくらいです。

私の専門職としての中心テーマは「努力に見合った本来の力を発揮する」を支援することです。これまではあがりや過緊張などで本来の力を発揮できないケースが多かったのですが、そもそも「努力の方向性がずれている」人も少なくありませんでした。それはスポーツでも、演奏でも、ビジネスでも、囲碁や将棋でも、多くの若手・プロの卵たちに起きていたことです。この本を読んで、改めてその重要性を認識したので、こういったこともより積極的に指導していこうと思っています。

過去のブログで、この参考になるかもしれないのは、東京藝大(美術)の受験生への指導でした。彼女も、勉強(制作)をやり散らかしていました。
>>芸大へのリベンジ成功!

今後、またブログで少しずつ、そういった取組事例の紹介をしていきたいと思います。

 

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