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メンタルトレーニングで成長を持続させる「考える力」も鍛えよう!

メンタルトレーニングを始める動機や目的はひとによって異なりますが、一般的に多いのは「強いメンタル(心)を作る」というものです。じゃあ強いメンタルとは何かというと、プレッシャーがかかる場面で、動じることなく、堂々と自分の意見を述べたり、力を発揮できるようになることで、私もその支援を中心にこれまでメンタルトレーニング指導をしてきました。

このようなメンタルトレーニング指導経験と成功事例を重ねていく中で、同時に、本番で力を発揮できるようになるだけ良いのか?とも考えるようになりました。というのも、石井塾に入塾する多くの若手アスリートや音楽家、ダンサーなどは、本番での過緊張のために力を発揮をだせないるものの、メンタルトレーニングであがり症を克服し、本番で自分の力を発揮できるようになったとしても、それで全てが解決するかというと、そうでもないのが現実です。本来の力が発揮できるようになるだけなので、本来の力がコンクールで予選通過レベルの音楽家であれば、本選に進出できるようになるわけではありません。メンタルトレーニング指導で必要なのは、やはり力を発揮できるようになるだけではなく、継続して力を伸ばさせること、つまり「成長を持続させるにはどう支援するのか?」が重要だと考えるようになりました。

今では、その答えのひとつが「考える力を鍛えること」だと思うようになりました。スポーツでも、仕事でも、演奏・パフォーマンスでも、成長を続けるには考える力が必要です。考える力というのは、おおまかに言ってしまえば、現実や事象について「5W、1H」で分析したり、当たり前だと思っていることに意義を唱えたりすることです。ではその考える力というのは、どのくらいあれば良いのでしょうか?

会社ではよくある話ですが、3年目の社員はが新入社員に「もっと考えろ!」と指導します。しかし、その3年生は、10年目の主任から「もっと考えろ!」と指導され、その主任は課長から、その課長は部長から、その部長は役員から「もっと考えろ!」と指導されるものです。結局のところ、ひとは成長し、経験を重ねていくなかで「考える力」は自然とついてくるものだし、足りないものが見えてくるものなのでしょう。まあそもそも、部下を指導するときに「もっと考えろ!」と連呼するひとに、有能な上司はいないものです。本当に有能な上司は、部下が考えないとできないような仕事を任せたり、質問技法といったコミュニケーションをとおして、深く考えるように導きます

恐らく、考える力は、どこまで到達すれば良いというものではなくて、自分が今いるステージを乗り越えて、さらに上に行くために、常にブラッシュアップされていかなければなりません。

だからこそ、私はメンタルトレーニングセッションのなかで、よく「なぜ・どうして・何のために?」という質問を塾生にぶつけます。本人は、当たり前と思っていたことを、きちんと理由を説明できるかどうかを確認するためです。「今なぜその練習に取り組んでいるのか」「その練習は1年後にどう役に立つのか?」など。多くの人は「なぜミスしたのか?」についてはよく考えているのですが、それ以外の「なぜ・どうして・何のために?」を考える癖がついていない人が多いのです。

私が指導する内容についても、「本番前に○○○をやりましょう。でもなんでだと思う?」という質問をぶつけます。ただ言われたとおりのことをするのではなく、自分で理解したうえで、その課題に取り組んでもらいたいからです。

セッション中の私の突っ込みは、塾生によっては、最初かなり辛いものらしいです。それは、囲碁の女流棋士や、平昌に出場したショートトラックの菊池選手の体験談にも書かれています。しかし、そこを乗り越えて、今、自分がしていることが「なぜ・どうして・何のために」なるのかを考えられるようになれれば、その見返りは大きいはずです。それが特に若手であればあるほどそうでしょう。

若手アスリートや音楽家の卵は、小さい時から教師やコーチに教わったことをひたすらこなすことで、全国大会出場や音大入学までたどり着きます。しかし、その中で頭角を現して、プロフェッショナルとして活躍できるのはごく僅かです。恐らく、そこを突破できる人は、飛び抜けた実力を持っていたか、考える力があった人なのではないかと思います。自分で考える力が鍛えられていないひとは、そこから先に進めないからです。というのも、そこから先は、誰でも教えられる領域ではないのですから。

実際のところ、私たちはたいてい、自分なりにしっかりと考えているつもりなのです。しかし、それがどれだけできているかは自分ではわからない。多くの場合、自分では考えることをさぼっているつもりではないですが、実際にはさぼってしまっていることも少なくないものなのです。でもメンタルトレーニングのセッションで、素人の私から突っ込まれることで、ただ惰性でやっていたことに気づいたり、本当の意味を考えたり、調べたりするようになれば、大きな変化でしょう。

成功イメージを推奨し、夢や未来を語るメンタルトレーニングでは、言葉やイメージで自己暗示がかかり、やる気やモチベーションが高めることを主目的としているので、やっていて明るくなるく、楽しくなるを目指しています。それはそれで良いのでしょうが、私のメンタルトレーンングでは、そこに一石を投じたいと考えています。私の指導内容は、やっていて苦しいことが少なくありません。でも、このように負荷がかかることが、本当の意味での成長につながるのです。それは筋トレと一緒です。

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