ゴルフ

試合になると結果が出ないと入塾した3名の女子高生ゴルファー、それぞれの状況と指導内容

石井塾には現在(2020年6月)、3名の女子高生ゴルファーが在籍しています。全員が高3生。地域はバラバラですが、ゴルフの名門校に在籍しています。

入塾理由も皆、ほぼ同じで、スランプに陥っていたり、試合になると結果を出せないというものでした。そして目標は、試合で力を出し切ることと、春と夏の全国高校選手権に出場すること、そしてできれば、今年から高校3年生の受験が可能になったプロテスト受験です。

このコロナ禍で、春の全国大会は中止になり、夏の全国大会も、12月への延期が決まっています。なかなか試合での結果が出せない状況ではあります。しかし、高校3年になって目指すべきところが見えてくる中で、今はそれぞれの希望に即した指導をしています。そして、3人とも、コロナ自粛でもだれることなく、いい状態でこの3か月を過ごすことができたようです。せっかくなので、それぞれの状況を簡単に紹介していきます。

Oさん(2019年4月入塾)

一番変わったのは、一番入塾が古いOさんです。Oさんは、中学時代はしばしばパープレイで回り、全国大会にも行けていたのに、高校に入学してからゴルフが崩れ、ドライバーが曲がるようになり、スコアがまとまらない状況に陥っていました。当時はゴルフをするのも苦しかったようです。しかし、最近のセッションでの報告では、これまでの人生で一番ゴルフの調子がよく、ゴルフが楽しくて仕方がないそうです。

実はOさんは、1月に手を痛めて、3カ月近く、まともに練習できない状況に陥っていました(私も強く練習抑制を指示しました)。ラウンドもあまり出来ていませんでした。しかし、痛みがなくなってから再開したゴルフの調子が、とてもいいというのです。その理由を私なりに分析すると、練習抑制に入る前から、彼女にはしっかりとイメージトレーニングを教えていたので、実際にボールを打つことが少なくなっていても、イメージトレーニングに励んでいたので、技術が下がるところか、良くなるところもあったからでしょう。

またラウンド前にも、これまでとは全く変わり、しっかりと時間をかけて、ラウンドを事前にイメージをするようなっています。

メンタルリハーサルで本番力に差をつけよう!既視体験(デジャヴ)で不安も緊張も迷いもなくなる本番で力を発揮するために、最も大切なイメージトレーニングがメンタルリハーサルです。本番を頭の中で事前にリハーサルすることで、緊張しがちな状況に脳を慣らし、更には体が勝手に動いてくれる状態を作ることができます。...

入塾当初に教えた呼吸法も毎日続けていたので、心理的にも焦らず、落ち着いていることができたのも大きいと思います。まあ、呼吸法に限らず、私が指導した内容は、本当に丁寧に続けていました。こういった地道な性格は、私の指導スタイルにはとても合っていると思います。

先日、Oさんのお母さんからも、こんな話を聞くことができました。


娘が高校に入学して夏以降、スコアが全く出なくなりました。それまでパープレー、70台で回っていたのが、ずっと80台が続くようになり、私もつい「しっかりしなさい」「やることやらないから」と娘を怒ってばかりでした。技術は劣った感じがしないのに、いつも本番でダメ。メンタルかなと思い、メンタルトレーニングのサイトを調べていた時、見たことのないメンタルトレーニングが気になったんです。それが石井塾でした。(中略)石井塾のメンタルトレーニングのおかげで、今年の春くらいから、すごい調子が上がってきました。飛距離も上がり、スコアも戻って、今がこれまでの中で最も絶好調と言える状態です。3月はじめの大会でも2位に入り、モチベーションも上がっています。新型コロナウイルスの影響で夏の大会がないのが残念ですが、大学の推薦入学という新たな目標へ向けて娘は前を向いています。


上記のとおり、Oさんは今、ゴルフ強豪校への推薦入学を目指し、数少ない大会で結果を残すことが求められています。また、進学予定ですが、9月のプロテストも受験する予定でいます。実は少し前には受験予定はありませんでしたが、ゴルフの調子が良いので、受けることにしたそうです。

<2020/8/21追記>
Oさんは無事にゴルフ強豪校への推薦入学が決まりました。また、先日の試合で、自己ベストスコア66(6アンダー)を出して、さらに自信を深めています。

Kさん(2019年12月入塾)

次に入塾したKさんですが、入塾した1ヶ月後に、春の全国大会出場を決める地方予選に臨むことになりました。とにかく時間がないので、短期的に結果が出せる方法として、主に呼吸とルーティンを指導しました。

これが功を奏したのか、パターの調子が急激にあがり、地方予選では、最後の18番ホールで、3メートルのパーパットを沈めて、ボーダーぎりぎりで全国大会への出場を決めました!また、2日間競技でしたが、途中で連続OBなどもあったものの、途中で崩れなかったそうです。

せっかく出場を決めた春の全国大会は中止になりましたが、コロナ自粛が始まる少し前に、ご両親と相談し、新しい目標を立てました。それは海外大学へのゴルフ留学です。私も知らなかったのですが、ゴルフで全国大会に出るレベルであれば、海外の大学では、スポーツ推薦として、学費などの免除特典のある入学を許可してくれるそうなのです。

Kさんの親から相談を受けたとき、私も大賛成でした。海外の大学を卒業するということは、これから先の人生の選択肢が、大きく広がるからです。

しかし本人は当初、英語も苦手なので嫌がっていましたが、親がしっかりと説得したようで、今ではほぼ毎日英語の勉強を続けています(ゴルフの練習も続けています)。私も今では、学習科学に基づく考え方から、英語学習の仕方を教えてサポートしています。実際、ゴルフも英語上達も、同じ学習なので、基本的な考え方は一緒です

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彼女にとっては、今、この学習方法を身につけることができれば、海外の大学に入ってからの勉強にも役に立つはずです。下記は、お父さんとのメールのやり取りの中からの抜粋です。


いつも大変お世話になります。Kの父です。まずは、娘のメンタル強化にご尽力いただき本当に感謝しております。また、娘の進学に関しても助言本当にありがとうございます。もちろんメンタル指導以外も英語勉強方法などの助言も頂けると大変助かります。受講してからの成績(特にパター)は、目に見えて向上しております。本当にありがとうございます。


Mさん(2020年2月入塾)

今年2月に入塾したMさんは、プロテストだけを見据えています。当初の計画では、基礎トレーニングのあと、試合経験を重ねながら、試合への入り方についてじっくりと取り組むつもりでしたが、入塾後はこれまでほとんど試合がなく、これはほぼできていません。その代りに、ただ球を打つだけでなく、どのように考えて練習に取り組むかについて、じっくりと指導ができました。Oさん、Kさんもそうですが、ゴルフ練習場(レンジ)に行ったときに、これまでとは全く違った時間を過ごすようになります。

しかし、プロテストまであと3カ月なので、これからはプロテスト合格に向けての戦略を立て、その戦略を進めるための準備をしていきます。女子プロテストの合格の門は非常に狭く、高校生で現役合格したのは、去年は3名だけで、アマチュアの実績としては3名とも抜群でした。Mさんは、そこまでの実績もなく、実力もまだです。正直なところ、今のままでは最終テストは通過できないでしょう。しかし、渋野日向子選手の活躍のとおり、若い子は、実戦の中で急成長できる可能性があります。プロテストも、1次試験(3日間)→2次試験(3日間)→最終テスト(4日間)と続くのですが、最終テストに通過する実力はないにしても、2次までは通る力はあります。だから私の考えでは、この1次試験と2次試験をうまく活用して、最終テストに向けて、成長を促進できるかどうか?が大きなカギになります。

今から練習して、上位の選手たちとの技術的な差を埋めるのは現実的ではありません。練習ラウンドでは打てるようになったしても、プロテストでは通じません。残り3か月を切ったのだから、そこは必要最低限にしておいて、やはり本番で力を発揮できるようになるための準備に時間をかけていくべきというのが、私の考えです。

もっと具体的には、本番をどれだけリアルに、様々なパターンで想定し、その準備をしていくか?です。何年もプロテストに受けているのに、それについて考えていない受験生は大勢います。とにかく頑張る、みたいな人が本当に多いのです。練習は死ぬほどやっても、本番の準備や想定が、十分にできていない人が大多数です。

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しっかりと1次試験と2次試験に向けての想定を行って、そこで結果を出せれば、最終テストも、想定をしていくことで自信を持って迎えることができるはずです。だから、これからの3か月は、その下準備になります。

<2020/8/21追記>
2020年9月に予定されていたプロテストは延期になりました。改めて、Mさんがプロテストに合格するために何が必要だろうかと考えたところ、次のような考えに辿りつき、今ふたりで真剣に計画書を作っています。

女子プロテスト合格を目指すゴルファーのための3年計画の作り方昨今、女子プロテストの合格難易度は急上昇。激しい競争の中で、どのような準備をすれば、合格を勝ち取ることができるのか?その答えの一つは、3年というスパンでしっかりと計画を立てて練習を継続し、成長を持続させることにある。3年計画の作り方について紹介する。...

如何でしたか?現在、入塾を検討している中高生、及びその父兄にとっての参考になればと思います。間違いなく言えることは、準備期間が長いほうが、メンタルトレーニングでできることは多いし、それが自分のものとして定着するので、可能性は高まるということです。単にスランプからの脱出にとどまらず、成長が持続できる土台を作ることを心がけています。

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