ゴルフ

本番で極度に萎縮してしまう自分を変えるには?メンタルだけの問題にすると苦しくなる

先日、某テレビのゴルフ番組を見ていたら、そこに出場していたプロを目指す女子ゴルファー(研修生)が、本番になると、クラブを振れない感覚になってしまって、自分のスイングができないとうようなコメントしていました。実際、番組内でのゴルフ対決で、プロを目指しているとは思えないほど、ひどいセカンドショットを連発して、脱落していきました。

この動画でのコメントは、そのミスショットの原因について聞かれたことに答えたものですが、なかなかリアルで悲痛な本音です。それを聞いた著名レッスンプロは、「それは気持ちの問題。気持ちが負けているから。曲げたら嫌だ、こっちはOBだから嫌だ。そんな自分を変えなければいけない。怖いものはないと開き直って、私生活から自分を変えなさい」というようなアドバイスをしていました。

そのアドバイスに対して、女子ゴルファーは、少し困惑したような表情を見せていました。恐らく、この女子ゴルファーは、ずっと同じ問題に悩んでいて、自分を変えようと何度も強く願っていたはずです。また、先輩プロやコーチ、職場の上司、家族などの関係者のほとんどから、同じことを言われているはずです、「そんなに上手いのに本番で力が発揮できないのは、メンタルの問題だから」と。「自分を変えたい。でもその方法がわからない。なぜか本番になるとショットの感覚が変わってしまう」。ここに、この女子ゴルファーの苦悩の本質があるのでしょう。

実際、程度の差はあれ、多くのゴルファーが練習場ではできることが、本番や試合になると、委縮してしまってできなくなります。これはゴルフに限らず、ほぼ全てのスポーツや、楽器演奏についても起こることです。そして多くの人が、これを「気持ちの問題、メンタル」のせいだと考えています。これは間違いではありません。それは確かに気持ちの問題です。しかし、あまり理解が広がっていないのは、深刻化すればするほど、それを改善する場合には、メンタルだけで何とかすることは難しいということです。

それではどうすれば良いのか?呼吸法やルーティンは、症状が軽度であること、かつ技術的に全く問題がない場合には効果を発揮しますが、この女子ゴルファーのように、症状を長く抱え深刻化しているケースや、まだ安定していない技能では、呼吸法やルーティンの効果だけでは、そんなに簡単に克服することはできない、というのが、実際のところです。もちろん、このレッスンプロがいうような一般論や精神論もだめです。ごく稀に上手く行きますが、多くの場合、より精神的に追い詰めてしまうことになりかねません。

結論から言ってしまえば、私が大事だと考えているのは、練習方法の見直しを、メンタルトレーニングに組み合わせることです。

練習場で、ノープレッシャーの環境で、何球も同じ球を打っていればナイスショットは出ます。しかし、本番ではミスは許されないし、同じショットを連続で打つことはあり得ません(OBの打ち直しがナイスショットになるのはこのため)。つまり、自分で練習場や練習ラウンドでしかナイスショットを打てない練習をしてしまっているのです。だから、練習方法を見直すことが大事なのです。

考え方や性格を変えるのではなく、練習方法を変えるというのは、その気になればできることです。気合や根性はそれほど必要ありません。ただ、難しいのは、どのように練習したらよいのか?です。抱えている症状や、発揮したい技能によってそこは異なるからです。ある意味、ここに石井塾の長年のノウハウがあります。練習場で本番を想定して打つなどは、恐らく、もうこの女子ゴルファーもやっていることでしょう。でも、それが上手く出来ているかどうかわからないし、効果もすぐに出るものではありません。だから途中ですぐに諦めてしまうことが多いのです。すぐに諦めないように、メンタルを鍛える必要があります。

結局のところ、こういった変化は、ある日突然起こるものではありません。そこをしっかりと理解したうえで、地道な取り組みを続けるしかないのです。その目安となる事例が、先日のブログで掲載した2018年のプロテストに合格した男子ゴルファーの体験談です。実際、彼も同じ問題を抱えていました。指導を始める前、彼が自分でやっていたのは、毎日、練習場で200球の打ち込みでした。とにかく全力で振り切って、ナイスショットを体に刻みこもうとさせていました。

入塾後はそれを変えることから始めました。とにかくドライバーを練習するにしても、同じ球を打たない。毎球、時間をかけてイメージして、考えてから打つ。この練習方法の見直しによって、彼の本番ショットは大きく変わったと考えています(それは最初は緩やかな変化だったので、本人はどこまで意識があるかわかりませんが)。あわせて、呼吸、イメージ、ルーティンなどのメンタルトレーニングを加えていったのです。私は今では、練習方法を見直すこともメンタルトレーニングの一環だと考えています。

この女子ゴルファーのような失敗体験を重ねていくと、本当に心から自信を奪っていきます。早めに対処することが大事です。1回や2回失敗しても、自信を一気に失うことはありません。ここまで自信を失ったのは、相当回数の失敗が重なったからでしょう。それと同じように、1回や2回成功しても、それで自信が一気に回復することもないのです。症状が深刻化し、もう何もしてもダメな状態に陥る前に、早くアクションを起こしてほしいと思います。信頼できるコーチについて、平常心を鍛えながら、地道な変化から目指して欲しいと思います。

多くの人に「メンタルの問題」といわれ続けて、自分なりに頑張ってきたのに結果が出ない。そんな状況で苦しんでいるゴルファー、アスリート、演奏家は、ぜひ石井塾の門を叩いて欲しいと思います。

 

自分を変える第一歩

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