昨年末から石井塾に来ている男子ゴルフのNプロ。
特にひどいあがり症やイップスを持っていたわけでもないものの、ここ数年は、ほぼ毎年参加できていたチャレンジツアーの出場権も失ってしまったことから、昨年末に、石井塾の門を叩きました。
石井塾を選んだのは、よくありがちな「考えかたを変える」「どんなときでもプラスに考える」的なメンタルトレーニングでは、今の現状を打破できないと考えたからとのこと。
入塾後の半年間、石井塾のポリシーである「考えないで、感じる」ための感覚系トレーニングや、それをゴルフ場でどう実践するか、セッションでじっくりと話し合いながら、取り組んできました。
6月に入るまで、本人も、「何かを掴みかけているものの、結果(成績)として残らない・・・」ことに、じれったさを感じていました。
しかし、私としては、セッションを通じて、Nプロが掴みかけているのは感じていました。ただ同時に、まだまだ「考えすぎの罠」から抜け出せていないことも感じていました。
そのNプロ。先日、賞金のかかった試合における自己新記録の「64」を出して優勝したそうです!
試合といっても、TVで放映されるようなレギュラーツアーや、その下のチャレンジツアーのような「公式戦」ではなく、ツアーを目指しているプロ達が、賞金をかけて戦う非公式戦ですが、レベルも高く、優勝賞金もそこそこあります。
練習試合や消化試合での64ではなく、賞金のかかった優勝争いのなかでの64というのは(プロ生活10年以上での自己新記録)なのですから、本当に素晴らしい結果です。自信を持って良いと思います。
しかも、ただ優勝しただけでなく、「考えないで、感じる」や「自分の本能に任せる」といったことが実践できたこと、そしてそれが、最高のプレー(スコア)となって実現したことが、何よりも嬉しくて、自信になったそうです。
Nプロが目指しているのは、今年の秋に開催されるQT(クオリファイイングトーナメント)で結果を残すこと。
プロゴルファーは、このQTで結果を残さないと、翌年、公式戦に出場することができません。
というよりもむしろ、数千人以上いる男子プロゴルファーのなかで、公式戦に出場できるのは、このQTでの上位120人前後なのです。
だからこそ、真剣にツアーでの活躍を目指しているプロゴルファーは、QTが全てであり、このQTにおけるプレッシャーは、並大抵のものではありません。
QTで良い結果を残すには、やはり、それまでの試合において、好成績を残し、自信を深めることが大切です。
今回の優勝が、その役に立つことは間違いありません。
大切なのは、これから、今回掴んだ「自分の能力を信じて、開き直って、任せてみる」を、より多くの試合で、再現できるようになること。その確率を高めること、です。
およそ1か月前に、Nプロに課題図書として渡した『インナー・ゲーム』に、かなり触発されたところがあったそうですが、それが本番で実践できたのも、地道に「考えないで、感じる」能力を鍛えてきたからですが、だからこそ、今回のプレーはまぐれではなく、再現姓が高いはずです。
再現性を高める。確率を高める。
QTが始まるまで、それを意識して、しっかりと練習に取り組んでほしいと思います。
インナーゲームの本質と、その習得の難しさについて、私のサイトで紹介しています。本をちょこちょこっと読んだだけでは習得できない理由などが書いてあります。
http://zone-training.jp/method-innergame.html
また、近々、Nプロが、これまでのトレーニング中で、どのようにインナーゲームを取り入れたのかについて、そして、それを試合で発揮できたのか?についてブログで書きたいと思います。