合格率3%の狭き門であるJLPGAのプロテスト。
あなたの人生が決まると言っても過言ではない、LPGAプロテストで「いつもの自分」でいるのは、本当に難しいことです。
その厳しさを実感して、次は「もう少しメンタルを鍛えたい」と考えて、このサイトにたどり着いたのかもしれませんが、残念ながら大きな間違いです。
そんな中途半端は通用しません。
人生をかけたプロテストで、力を出し切って合格を勝ち取るには、メンタル面に特化した、かなり徹底的な準備が必要です。
結論からいえば、力があるのに不合格となる受験生の多くが、プロテストへの準備の仕方を間違えています。
このページでは、過去にプロテストを受験して悔しい思いをしたことのあるた女子ゴルファー(家族・関係者)に向けて、プロテストを突破するのにどんな準備が必要なのかについて書いています。
「これを外すと不合格」という最終ホールのパットをイメージしていきましたか?
まずは質問です。
あなたはテスト前に(1次・2次・最終問わず)、「これを外せば不通過という18番ホールのパーパット」のイメージをしていきましたか?
ドキドキして、手も震えている中で、そのパーパットを決めるイメージをしていきましたか?
なんとなくイメージした、合格した自分はイメージしていたという受験生はいるかもしれませんが、しっかりと何十回もやりました!と断言できる人はほとんどいないと思います。
もちろん、これだけでいいわけはありませんが、ここが準備の出発点となることは間違いありません
私がプロテスト合格に導いた男子研修生の最終テスト最終日最終ホールの話
私が以前指導した男子研修生F君には、これを外せば不合格という最終ホールでのパッティングイメージを、何十回となく、具体的にさせました。
そして実際、最終テストの最終日最終ホールで、本当に5メートルの、合否を決めるバーディーパットが残り、F君はそれを沈めて合格を勝ち取りました。
偶然にも、最終日の彼の組の全員が、同じスコアで最終ホールまで来て、全員が数メートル前後のバーディーパットを打ったそうです。しかし、それを決めたのはF君だけで、結果的にF君だけが合格しました。
他の受験生が、そういったバーディーパットのイメージをしていたかどうかはわかりませんが、少なくとも、F君はかなりの時間を割いて、そのイメージをしていました。
それどころか、そのイメージを作るための準備を、半年以上かけてやってきていたのです。だから、他の誰よりも、イメージ通りにバーディーパットを打てたというのは間違いないでしょう。
F君は、最終ホールのバーディーパットを打つにあたって、「アドレスしてから迷ったら負けだ。体が固まらないように、いつものルーティンで、できる限る早く打つ」というイメージを作ってあったので、そのとおりに実行しました。それが最後の合否を分けたのです。
実はF君は、そのバーディーパットを沈めていなくても、合格できていたのです。男子プロテストは、50位タイまでが合格で、もし外していても、50位タイだったそうです。しかし、F君がバーディーを決めたため、合格ラインが1つ繰り上がり、F君がバーディーパットを外していれば、合格できた15人が不合格になりました(同じ組の3名含む)。その半数以上が、今でも合格していないそうです。
人生をかけたプロテストでは、体は思ったように動かない!それを受け入れるだけで本番力は高まる
私はゴルフだけでなく、これまで様々な競技のアスリートを指導してきました。そして、人生の節目となるような大きな本番では、どんな競技の選手であっても、体は思うように動かなくなります。
もちろん何度も優勝を重ねているようなトップ選手には、例外はいますが、プロテストを受けるようなレベルのゴルファーであれば、ほぼ全員がこれに該当します。
本番力を発揮するには、実は、まずはこれを受け入れることが大切です。
本当に多くの受験生が「いつものように体が動かない」「思ったショットができない」ということを考えながらラウンドを続け、それを修正しようと試みるものの、それができないまま、どうして、あれあれと、ずるずるとスコアを崩していきます。
本来あるべきショットと、実際のショットがかけ離れており、この期待感ギャップが更なる焦りとストレスを生み出し、更なる不安と緊張の悪循環に入っていきます。
しかし、いつものように体は動かないものとラウンド前から覚悟しておけば、ミスショットも引きづりません。
まあこんなものということで、次のショットに向かうことができます。このようなスタンスを続け、一喜一憂せずにいれば、徐々に体は慣れてくるものです。どこかのタイミングで思ったショットが打てるようになります。
普段のラウンドでも、絶好調と思える時ほど、スコアを崩すことはありませんか?
それは期待と現実の「ギャップ」が、焦りや気負いを生みだしているからです。
テスト中に起こる不運や悪い流れを想定しておくと、必要以上に焦らない
また、なかにはラウンド開始直後はそれほど緊張がひどくないものの、ちょっとしたミスや不運が起こると、突然ゴルフがばたついてしまうゴルファーもいます。
あなたには、普段のラウンドでスコアを崩していく「きっかけ」のようなものはありますか?
例えば、3パットをしてしまうととか、不運が重なったりとか、ひっかけのOBを打ってしまったりなど。
普段のラウンドでもスコアを崩しがちであれば、それがプロテストで起きた場合には、その傾向はもっと強くなります。
だからこそ、こういったことが起きた時のことを想定していく必要があるのです。
事前に、こういったことが起きた時に、やるべきことを確認しておくと、実際にそうなったときにも焦らずにすみます。やるべきことがないような場合でも、そういったことは起こるのだということを想定しておくだけでも、焦りは小さくなるものです。
前述のF君は、最終プロテスト2日目に、3番ホールから6連続ボギーを打ちました。しかし、F君は「まあそんなことも起こるかも」という想定をしていたので、必要以上に動揺せず、そのあと巻き返すことができました。
イメージトレーニングというと、うまくいっている自分、成功している自分をイメージすることだと考えている人が少なくありません。
実際に先ほど紹介した「合否を決めるパッティングイメージ」もそれです。
しかし、プロテストで本当に役に立つのは、こういったミスや不運、逆境を事前にシミュレーションしておく「メンタルリハーサル」というイメージトレーニングです。
これまで指導してきたアスリートの中には「ミスをする自分を想像するなんて信じられない」「ミスをイメージしたら、ミスが出そうで怖い」という意見を持つ人がいましたが、事実は逆です。
ミスに対処するイメージをしていたら、ミスは出ないものです。なぜならミスが起きた時に何をすればよいか分かっているので、必要以上に焦らないから。
2021年春の五浦庭園の一次テストで80以上が続出したのも準備不足が原因
2021年春の一次テスト(五浦庭園)では、初日に強い風で多くの選手がスコアを落としました。あれだけの強風の中では、ドライバーは曲がり、グリーンも速くなることは、スタート前からわかっていたはずです。
2オン2パットのパーといったゴルフにはならずに、寄せて拾ってパーが精一杯というラウンドになるでしょう。
こういった状況を事前に想定しておけば、多少スコアを落としたとしても、80まで打たず、合格圏内に踏み止まる可能性は高かったはずです。
しかし、出だしの数ホールで叩いてしまい、スコアを取り戻そうと焦ってしまい、アプローチを必要以上に突っ込んでオーバーさせ、ボギーを重ねて10オーバー以上を打ってしまった受験生が大勢いたようでした。
8オーバーくらいでも、このコンディションであれば十分と事前に想定しておけば、早くて硬いグリーンに対して、アプローチは無理に突っ込まずに、パーパットを手前から打てるように調整できたはずです。
こういったことは、普段のラウンドであればできるのです。しかしプロテストがそうさせてくれません。なぜなら、試合に入るだけで、もう余裕がなくなっているからです。だからこそ、試合に入る前に、余裕を残すための準備が必要なのです。
あなたも本来の力を発揮できる!あとは地道に準備してプロテストを迎えよう!
この数年のプロテストは本当にハイレベルであり、合格をつかみ取ることは簡単ではありません。
激芯女子や、ゴルフサバイバルなどのゴルフ番組で馴染みのある受験生の結果などをみても、プロと互角に戦える力はあるのに、1次テストすら通過できなかったり、2次テストでもボーダーから大きく外れてしまったりしています。
本来の力が発揮できなかったのは明らかです。
もしあなたが私がここに書いてあることに納得できるようでしたら、ぜひ騙されたと思って、次回のプロテストに向けて、メンタルリハーサルを普段から実践してみてください。
正しく理解して実践すれば、全く力を発揮できなかったということにはならないと思います。
ただ繰り返しますが、中途半端はだめです。
自分でしっかりと実践できるか自信がなく、プロの個人指導を受けたいということでしたら、ぜひお試し入塾相談にお申し込みください。オンライン対応も可能です。
ここでは書ききれない多くの情報と作戦を提供できると思います。