これまで何度も、時間もかけて準備をしたプレゼンテーションで失敗してしまったあなたでも、しっかりとレゾナンス呼吸で平常心を再現できるようになれば、もうプレゼンテーションは怖くはありません。
大切なのは、タイミングよく、限られた時間で、本番の前後にレゾナンス呼吸を実践することです。
通常、プレゼンにおいては、緊張したり、焦ってしまったり複数のパターンがあります。たとえば、導入部分、時間配分のミス、想定外の質問など、です。
プレゼン前
本番が始まるずっと前から、あなたの緊張は少しずつ高まり、本番が始まった直後に頂点に達します。あなたがプレゼンの導入で失敗してしまうのはこのためです。この失敗を避けるには、導入部分だけでもしっかりと練習しておくことが重要とよく言われます。
しかし、これまで何度も大失敗を演じたことがあるひとにとっては、どんなに周到に準備をしても、緊張が弱まることはありません。また、そのプレゼンが人生を左右するような大きなものであればなおさらです。
そんなときこそ、これまでの平常心トレーニングが役に立ちます。そんな状況では、頭でどんなに考えたところで、緊張をコントロールすることはできません。考えすぎずに、これまで繰り返しで体に覚えこませていた「平常心=心拍のコヒーレンス」を再現すればよいのです。それだけで、パニックになってしまうほど、緊張しすぎることはなくなります。
具体的には、プレゼンが始まる前に、緊張を感じてきたら、その都度、繰り返しコヒーレンス呼吸を繰り返して下さい。呼吸法の利点は、立っているときでも、座ったままでも、どこでもできることです。
何もしないと緊張感は少しずつ加速しながら、本番直後にピークを迎えます。事前に少しでもできる限りコヒーレンス呼吸で平常心を作ることで、緊張にブレーキをかけ、緊張の加速を弱めることができます。個人差はありますが、それだけで、今まで100緊張していたのが、50にも30にもなるのです。
もし、あなたが今までの半分の緊張状態で、本番を開始することができたのであれば、成功確率はぐっとあがると思いませんか?
プレゼン中
時間配分のミス
一時間のプレゼンで、まだ半分も話していないのに、時間があと10分しかなくなってしまうということもよくあったのではないでしょうか?そんな場合も、つい頭が真っ白になってしまって、あとから振り返ると何を話したのかわからなくなってしまうことが多いものです。
プレゼンで大切なのは、最初と最後であり、時間配分をミスして、最後にしっかり締めることができないと、プレゼン全体の印象が悪くなってしまいます。
あと10分しかない!こんなときには、話すスピードを上げるのではなく、ひとまずコヒーレンス呼吸を15秒ほど行って、平常心を作ってみてください。そうするだけで、焦りの気持ちがぐっと落ち着きます。
時間不足という事実を変えることはできませんが、これだけは話しておかなければいけないということを伝えるだけの余裕が生まれるはずです。
ただし、時間配分のミスに気付いたあと、コヒーレンス呼吸を1回だけ行うのでは、効果は限定的です。そのあともできる限り、スピーチの合間に、適宜コヒーレンス呼吸を行って、何度か緊張にブレーキをかけてください。
想定外の質問
プレゼンの途中や、最後の質疑応答で、まったく想定していなかった質問や突っ込みに上手く答えられず、あくせくしてしまうことがありませんか?
そんな場合にもコヒーレンス呼吸を活用しましょう。まず、質問を受けて、それが想定外であった場合、考えているふりをしながら、ゆっくりと呼吸を行ってください。焦ってしまうと、質問に対しては即答しなければいけないような気になってしまいますが、そんなことはありません。じっくりと考えた上で返答するという行為は決して悪くはないのです。
このような場合、ついつい、語り口調も早口になってしまいますが、きちんと意識して呼吸をコントロールすることができれば、話すスピードもコントロールできるようになります。
プレゼン後
大きなプレゼンのあと、失敗したときはもちろんのこと、なんとか無難に行えたときでさえ、神経が高ぶってしまい、眠れなくなってしまった経験はないでしょうか?
大勢の前で話すということは、それだけで大きなプレッシャーであり、ストレス反応を起こしてしまうものです。大きなストレス反応であればあるほど、なかなか消えていかないものです。
プレゼンに限らず、試験、スポーツなどの本番のあと、しばらく神経の高ぶりが残っていることを感じることがあると思いますが、それは錯覚ではなく、実際に体に興奮状態(=ストレス反応)が残っているのです。
このようなストレス状態では、余計なエネルギーのために、考えすぎてしまったり、否定思考に陥りがちです。何度も何度も、起こしてしまった些細な失敗を思い出してしまったり、イメージしたりしてしまうのです。
それが苦手意識となったり、トラウマの原因になってしまうことは、あまり知られていません。ですから、プレゼンの後にも必ずコヒーレンス呼吸を行って、神経の高ぶりをもとに戻すようにして下さい。
事例1:フリーアナウンサー

事例2:40代・男性会社員
