あがり症の克服

会議・面談でのあがりを軽減する|レゾナンス呼吸の活用法(3)

プレゼンやスピーチなどでの不特定多数に対してだけでなく、ある特定人物に対して極度に緊張してしまって、うまく話せなくなったり、力を発揮できなってしまったりすることも少なくなりません。

GUM01_PH04014その対象というのも、好きな異性であったり、苦手な上司だったり、取引先の部長であったりといろいろですが、極度の緊張から焦ってしまい、自分の考えをきちんと伝えることができないので、あとで悔しい思いをしたり、対人関係がうまくいかなくなったりします。

しかし、平常心の再現法を身につけたあなたであれば、もう大丈夫です。面談前・面談中・面談後にきちんと平常心メソッドを実践すれば、少しずつ緊張が弱まっていくのが実感できるはずです。そのような経験を重ねていくと、特定の人物への対人あがり症は徐々に弱まっていきます。

面談前

社内会議や商談など、苦手な上司や取引先と、事前に会って話すことがわかっている場合であれば、面談の前に、時間をみつけてレゾナンス呼吸で平常心を作っておきましょう。目安は5分程度ですが、慣れれば1分でも大丈夫です。

これまでは面談前も「これから会って話さなければならない・・・」と余計なことを考え、不安になってしまっていたと思います。実は、それだけでストレス反応を起こしていて、実際に会ったときには、さらに大きな緊張を引き起こす要因を作っていたのです。つまり、会う前からすごく緊張してしまう状況を作っていたのです。

平常心でいるときには、ストレスはきちんとコントロールされています。ですから、事前にレゾナンス呼吸を行っておくと、実際に会ったときに、まったく緊張が起こらないというわけではありませんが、心臓のドキドキや焦りがずっと小さくなります。

面談中

事前にレゾナンス呼吸を行うだけで、苦手な相手に会った瞬間の緊張の高ぶりを抑えることができます。それだけでも、ずっと話しやすく、自分の考えを伝えられるようになるでしょう。

しかし、打ち合わせの時間が長引いたり、会話が悪い方向に進み始めたりしまったら、緊張や不安が徐々に増してきます。そんな場合はどうすれば良いのでしょうか?

そんなときには、相手が話している間に、ひっそりとレゾナンス呼吸を続けてください。レゾナンス呼吸に限らず、呼吸によるストレスのコントロールは、いつでも、どこでもできるという利点があります。ヨガやストレッチ、お酒を飲んだり、趣味に講じたりすることも素晴らしいストレス解消法ですが、職場ではなかなかできません。でも、呼吸だったら、いつでもどこでもできるのです。なぜなら、私たちは24時間ずっと呼吸しているのですから!

このレゾナンス呼吸は、相手が怒鳴ったり暴言を吐いたりしているときには、とくに効果的です。相手の暴言を受け止めて、その言葉の意味を深く考えてしまうことは、ストレスの悪循環への入り口なので、聞いているふりをして、さらっと流してしまいましょう。「言うは易し、行うは難し」ですが、平常心を鍛えるうちに、必ずできるようになります。

面談後

対人あがり症を克服するためのレゾナンス呼吸の活用法は、これだけではありません。精神論や経験論では語られない、実はもっと大切な方法があります。

それは、苦手な相手との面談が終わったあとに、コヒーレンス呼吸をしっかりと行うということです。これによって、面談で高まったストレス反応(緊張・興奮状態)を「短時間」で鎮めることができます。

高まったストレス反応を放置しておくと、その面談で起こった嫌な記憶が自然と思いだされ、ネガティブに増幅されてしまうのです。たとえば、些細な発言ミスでさえ、「ああいえば良かった、こう言えば良かった」とぐじぐじ考えて、結果として、その打ち合わせは失敗だった、やっぱり駄目だった、という考えにつながってしまうのです。ストレス状態では、ネガティブな部分だけが誇張されやすいのです。

私たちがトラウマを作ってしまうのは、失敗イメージ(恐怖イメージ)が頭に残ってしまうからですが、実際に失敗したときのイメージがトラウマになるだけでなく、あとで自ら、その失敗を繰り返しイメージすることで、自らをトラウマを作りだしてしまっていることもとても多いのです。

事例:役員との人間関係で悩んでいた団体管理職

ある団体の管理職は、天下りでやってきた役員との関係に苦しんでいました。役員室に呼ばれるたびに、強い口調で、叱責されたり否定されたりするので、1か月もすると、役員室に呼ばれるだけで大きな恐怖を覚えるようになりました。

そんな状態では、今までならできた簡単な報告もきちんとすることができず、気の短い役員のさらなる怒りをかってしまう悪循環ができていました。半年後には、うつ症状が大きくなり、ついには会社に出社できなくなりました。

少し休んで、心療内科で処方された薬を飲んでいるうちに、多少、回復したことで会社には出社できるようになりました。もともと優秀な人物であり、なんとかこの問題を解決しようと、役員から干されている間に、夜学で心理学を学び、心理的苦痛の解決を試みていました。しかし、役員への恐怖感情はなかなか消えず、辛うじて会社にいけているという状況が半年近く続いていました。

そんな状態でコーチングを受けに来た彼に教えたのが、レゾナンス呼吸です。その役員への対人恐怖はかなり深刻だったのですが、役員室に入る前に必ずレゾナンス呼吸で平常心を作ること、役員が話しているときに、知られないようにレゾナンス呼吸を続けること、役員室から出たあとに、そのストレス反応を解消するためにレゾナンス呼吸を行うことの3つを徹底的に指導したところ、1ヵ月後には、役員室に呼ばれることにそれほど抵抗がなくなっていたそうです。

定期的にコーチングも行っていましたが、半年経ったころには、役員に対して、きちんと自分の意見を言えるようになるまで回復していました。そのときには、役員が、自分の意見をどう評価しようと、平常心でいれば、自分は大丈夫、たとえ降格させられてもやっていける、という強い感覚が生まれていたそうです。

面白いのは、そんな毅然とした対応ができるようなるにつれ、役員の対応が少しずつ変わってきたという事実です。平常心で臆病にならずに、自分の意見を伝えることで、彼に対する役員の評価が変わったのです。

彼は今でも役員の下で働いています。決して好きでもないし、尊敬もできないそうですが、平常心メソッドを習得したことで、役員の機嫌に引っ張られることなく、常に自分をしっかり持つことができるようになったと報告をくれています。

拙書『「ここ一番に強い自分」は科学的に作り出せる』からの引用

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