野球

プロ野球選手がメンタルトレーニングを始めた理由

少し前の話ですが、石井塾に初めてのプロ野球選手が来たときの話を紹介します。

某在京球団の選手(20前半)が、インターネットで自分で検索して、シーズンオフの12月に初めて来塾しました。1軍に定着している選手ではありませんが、1軍での試合経験も少なくない若手選手です。高校生でドラフト上位で某チームに入団しました。

特にひどいあがり症や過緊張でないものの、プレーの質にムラがあることが課題で、凄く良いときと、悪いときの差が激しいそうです。CapD20140727_3

本人は、毎回、同じように準備して練習や試合に臨んでいるものの、その差の違いが自分ではわからず、監督やコーチからはあまり良い評価を貰えないでいました。

石井塾の「考えないで、感じる」メンタルトレーニングの出番です。

というのも、このようなケースの場合、プレッシャーや体調、気分が生み出す微妙な身体変化(主に筋緊張)を感じることができないことが、それを修正できない原因であることが多いからです

まずは身体感覚を鍛えて、その変化を感じられるようになることが大事です。こういった身体感覚が鋭くない人は、イメージトレーニングが苦手な人が多いのですが、話を聞いてみると、やっぱりそうでした

これまでの野球人生で、イメージトレーニングをやったことはほとんどなかったそうです。周りの選手がやっているように、なんとなくやってみても、上手くできている実感がほとんどなかったため、続かなかったそうです。

今年の夏に入塾した大学生の野球選手と同じです。

イメージトレーニングで東京六大学野球選手が公式戦初ヒット今春、入塾し、メンタルトレーニングを始めた大学生のN君。東京六大学リーグに属する野球選手です。 高校時代、甲子園にはあと一歩で出場...

これはマイナスではなく、私は逆に良い意味でとらえています。というのも、これまでイメージができないでも、このレベルに達したのですから、ここでイメージができるようになれば、さらなる能力が開花される可能性が高いからですつまり、成長の伸びしろがあるということです。

プロ野球の世界で、一軍定着、レギュラーをつかみ取ることは決して簡単ではありませんし、時間もかかりますが、とにかく試合で自分の力を最大限に発揮できるようになって、それでどこまで行けるのか?長く厳しい戦いの始まりです。まずは2月のキャンプインまでに、呼吸法の基礎を習得します。このレベルのアスリートの場合、これまでの経験上、それだけでプレーの質のムラは自分でわかるまでに改善するはずです。

そのうえでイメージトレーニングを重ねていけば、本番で力を発揮できる確率を高められるはずです。そして、実際にそうなりました。

まずシーズンが始まる前の紅白戦・オープン戦で、特に守備面で良い結果を残しました。

ムラがあることが課題でしたが、呼吸法を習得した後、その呼吸を守備面においてルーティン化したところ、まさに「考えないで、感じる」ができるようになり、難しい守備機会も安定してこなせるようになり(プロに入れる時点でこの能力は持っています)、コーチからの信頼を勝ち得ました。

開幕戦こそ1軍で迎えることはできなかったのですが、すぐに1軍に昇格。元々打撃力が買われている選手だったのですが、そのシーズンは、主に守備固めで出場を重ねていきました。

ある試合では、試合を決める素晴らしいスーパーファインプレー(その日のスポーツニュースでも何度も取り上げられた)を決めました。そのシーズンは、プロに入団以来、自己最多の出場試合数に達しました。

しかし実は、シーズンインする直前に「忙しくて、なかなか通うことができない」という理由で退塾してしまいました。トータルでは結局、10セッションほどやっただけです。

これから打撃に関してのイメージトレーニングを始めようとしていたところだったのですが、それはできずに終わってしまったのです。

結果から言うと、その後も打撃に関してはあまり良くならず、それが翌シーズン以降の出場機会の減少につながっているように思います。打撃は、イメトレでかなり良くなるはずだったので、非常に残念でした

厳しい言い方をすれば、ちょっとやって結果が出てしまったので、あとは何とかなると思ってしまったのでしょう。本当にもったいなかったかなと思います。仕方ありませんが、本人の選択です。

ソフトバンクの内川聖一選手は、横浜ベイスターズに入団直後に送球イップスに陥りました。当時、球団に出入りしていた臨床心理士に相談し、送球イップスを克服したのは有名な話で、私も知っていました。

しかし、最近まで私が知らなかったのは、送球イップスを克服して、レギュラーを獲得した後も、その臨床心理士との関係は今でも続いていて、この17年間、週に一度、45分間の時間を取って、様々なことについて話し合っているそうです。

こういった継続力こそが、内川選手が球界を代表するような選手にまで上り詰めた大きな要因のひとつかと思います。送球イップスになっていなかったら、ここまでの大選手になっていなかったかもしれません。

これはなかなかできることではありません。本当にすごいことです。私も長くこの仕事を続けていますが、多くの野球選手は結果を出すと、それでメンタルトレーニングを辞めてしまうのです。

でも、本来、メンタルトレーニングでできることはもっとたくさんあります。野球選手には必ず好不調・運不運の波があるので、苦しいときにどうするかを話し合ったり、もっと大きな目標や課題を一緒に立てて、それに向かって進んだり。

プロ野球ではありませんが、プロボウリングの遠藤選手は、プロに転向後に入塾し、今でも継続している石井塾最古参のアスリートですが、プロ転向後8年目に、念願の全日本プロ選手権に優勝しました。途中何度も苦しい時期がありましたが、それでは乗り越えて、今ではトップ選手のひとりです。

メンタルトレーニングを受けるきっかけというのは、たいてい何らかの不調が理由です。絶好調の選手はメンタルトレーニングは受けません。しかし、内川選手のように、不調がきっかけだとしても、もっとうまく活用して、より成長する機会にできるのです。

そして、ぜひ私にそのお手伝いをさせてください。これまでの経験上、野球はメンタルトレーニングで一番効果が出やすいスポーツですから。

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