少し前の話ですが、九州で多角的に事業を展開していた30代後半のM社長が入塾しました。
貧しい家庭環境に育ち、中学時代、やんちゃな時間を過ごして、警察の世話になったこともあるそうです。しかし、中学卒業後にとび職として働きながら、定時制高校に通い、そこからいくつかの職業を経て、30過ぎで独立されたそうです。
まあ、実際に話してみると、中学時代にやんちゃだった感じはほぼなく、とても真面目そうな方でした。
入塾目的は、ずばり感情をコントロールできるようになること。仕事のできない部下や、嘘をつく恋人への怒りを抑えられず、ときには手を上げてしまうこともあったそうです。
また、人前で話すことも苦手で、とても緊張しいとのこと。
申込時のメールを紹介します。
現状の課題としましては、感情をコントロールできていないと感じるところです。従業員の失敗に怒鳴ることや、手を上げてしまうこともあります。怒っているうちに、前もこうだった、今回もこうだと思ってしまうと怒りを抑えられなくなります。
又、人前で話すことも苦手で、手足が震えたり、汗をすごくかいたりします、人に見られていると凄く緊張して、鼻下やおでこに汗をかきます。
自意識が過剰なことも含め、人の評価が気になり、自分に自信が無い性格なのだと思います。だから従業員や恋人を時に力で抑えようとしてしまうのだと思います。
回りの大切な人たちと、そんな感情ではなく、穏やかに優しく接したいと思っております。
又、事業展開をしていくなかで人前で自分の意見を話せないことは致命的だと思っておりますので、あがり症と感情のコントロールができるようになりたいです。
ホームページを拝見させていただいて、事細かに内容を記載しているところ、自信のある項目がはっきりしているところ、入塾の生徒をしっかり選んでいるところ、トレーニング方法に確固たる自信を持っているところなど、信頼のできる先生だと思いました。
トラウマがあるのであればそこからだと思っておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
お試し相談でヒアリングした情報を追加すると、仕事のできない部下には、痕が残る顔をぶつわけにはいかないので、膝で足を蹴ってしまっていました。最初は軽くだったものが、ときには相手が足を引きづるまでの強さにもなっていました。
また、同棲していた恋人にも、手を上げてしまうこともあり、もう別れることを前提に話をしているところで(職場内恋愛だったので、じゃあさようならともいえず)、もう口論したくないので、できるだけ家に帰らず、事務所で寝泊まりする状況にありました。
実際、かなり崖っぷちの状況でした。本当に自分ではどうすることもできず、藁をもすがる思いで、九州から石井塾の門を叩いた感じでした。
結論からいえば、M社長は2か月のメンタルトレーニングで、かなり感情のコントロールができるようになりました。
同棲していた恋人とは、2か月の受講を終えるころには、一緒に料理したり、毎日一時間は一緒にテレビを見て、会話するようになっていました。たまに小さい嘘をつかれても(禁煙中に隠れて吸う)、あまりこだわらずに流せるようになったそうです。
また、仕事のできない部下については(話を詳しく聞くと、本当に仕事ができない部下なので苦労されていたようです)、部下の能力を冷静に受け止められるようになり、必要以上に期待したり、怒鳴ったりしなくなることで、エネルギーの浪費を抑えることができるようになりました。
あがり症についても、地域の青年会議所などでの会合で、これまでとは全く違う感じで発言ができるようになたそうです。
M社長が取り組んだ感情コントロールのやり方はこんなものです。

本人にしてみれば、ずっと悩んでいた悩みが、たった2カ月で解決できてしまったことに、とても驚いていましたが、私は、このメッセージを受け取り、実際にM社長に会って話を聞いてすぐに、この結末は予想できました。
というのも、これまで怒りのコントロール(アンガーマネジメント)を目的として入塾してきた人のほぼ全員が、短期間で改善していたからです。
これまで私は、対人恐怖、あがり症、トラウマ、イップスなどの問題を抱えていた多くの社会人やアスリートを指導してきましたが、怒り感情は、その中でも一番成果が出やすいのです。
もちろん、私は、世の中で怒りの問題を抱えている全ての人を救えるとは考えていませんし、私のトレーニングが魔法だとも考えていません(むしろ科学です)。しかし、
- 本気で、怒りの問題を解決しようと悩んでいる
- やるべきトレーニングを地道に続けることができる
- 怒りの問題が、これまで社会生活を脅かすほど深刻でなかった
このような状況の人であれば、そのほとんどを救える自信があります。
怒りの問題を抱えている人で、それが自分の人生にマイナスになることを理解していても、世の中のアンガーマネジメント(感情コントロール法)の多くが、考え方を変えましょうという認知アプローチが主流です。
でも、このやり方だと、本などを読んだり、セミナーを受講しているときには納得できるものの、実際に怒りが発生する現場では、怒りをコントロールすることができず、結果として自己嫌悪に陥ってしまうことが少なくないのです。
感情は思考よりも強いものです。
石井塾では、呼吸やイメージのトレーニングを通して、怒りに伴なう身体反応のコントロールができるようになることを目指します。身体反応とは、心拍数や発汗、血圧などです。
怒りが起こる場面で、これらの身体反応を抑えることができるようになれば、自然と怒りも抑えられるようになるのです。
これは年齢・性別・性格・職業に関係なく、共通する人間の心身のメカニズムに基づいています。
この逆転発想のトレーニングで、あなたも怒り感情をコントロールできるようになるはずです。


トレーニングなので、自分でもできますが、より短期間で確実な成果を出したい人は、ぜひ個別セッションの受講を検討ください。