メンタルトレーニング体験談(ショートトラック・女子日本代表)

現役塾生で、平昌冬季五輪2018に参加したショートトラック女子日本代表の菊池悠希さんにお願いして、メンタルトレーニング体験談を書いてもらいました。石井塾でどんな取り組みをしているのかがわかると思います。菊池悠希さんは、平昌五輪に行った菊池三姉妹のひとりです(姉はパシュートで金メダル獲得)。

ショートトラックは、タイムではなく、順位を気負う競技です。レースは4~6人で1周111mのコース上で競うため、接触や転倒、最悪の場合はレースが止まってやり直しになることさえあります。一発勝負なうえに、決勝に勝ち上がるまで何本もレースがあり、さらには自分以外の要素(接触や転倒)があるので、肉体的にも精神的にもコンディショニングがとても難しい競技です。

引用元:時事ドッドコム

私はこれまで、重要な競技会の1か月ほど前になると、なぜか調子を崩すという状況が続いていました。それまで当たり前にできていたことができなくなり、何ができていないのか、どうして調子を崩しているのかさえ分からなくなるのです。自分なりにもがいて、何とか競技会までによい感覚を取り戻そうとするのですが、そうすると今度は疲労がたまってしまい、調子も上がらず、疲労感も不安も残ったまま競技会へ臨む。こんなことを繰り返していました。

そんな私が石井塾を知ったのは、フィジカルトレーニングのために東京に行く新幹線の中で、石井先生の著書「ここ一番に強い自分は科学的に作り出せる」を読んだのがきっかけでした。新幹線の中で読み進め、自分の求めていたのはこれだ!と思い、本を読み終わる前に、スマホで申し込みをしていました。科学的なメンタルトレーニング方法で、試合でベストな状態を自ら作り出す、そしてそれは誰にでもできるというところに魅かれました。お試し相談で、石井先生にこういった状況をお話ししたところ、まずは緊張(不安感)をコントロールする具体的な方法として呼吸法を教えていただきました。それを始めてから、自分でも驚くほどに集中力が上がり、力むことなく、練習に取り組むことができるようになっていきました。その後は、2~3週間に1度の面談(またはSkype)を通して、不安やトラウマなどに対して、状況によってどのように改善するのか、具体的なメンタルトレーニング法を教えていただきました。

これまで受けたメンタルトレーニングでは、ポジティブな思考を持とう、良いイメージをしよう、ジンクスをつくろう、目標は口に出そうなど、様々なものを聞き、試してきましたが、どれも長続きせず結果にも結び付かずにいました。今考えると、なぜそれをやるのか、どうやってやるのか、どのように目標達成につなげるのか?を理解できなかったからだと思います。しかし石井塾では、「呼吸法を使って、緊張をコントロールしよう」、「○○を想定して、イメージしよう」など、科学的な根拠とともに、具体的に目的と手段を教えていただき、今までイメージをするということがわからなかった私も、徐々にイメージができるようになってきました。

また、先生との面談の中では、「それはなぜだと思う?」「こういった場合はどうするの?」「それは何のためにやるの?」という問いかけが何度も来ます。最初は意地悪されているのかと思ったこともありましたが、この問いかけは、私自身が考えたことのないような深いところまで考えることができ、そして多くの選択肢を想定するために重要なのだと気づきました。これが石井塾のメンタルトレーニング、石井先生の魅力の一つだと思います

全日本選手権の1か月ほど前からは、大一番に向けてのコンディショニングが始まります。自分のベストな状態でスタートラインに立つためにはどういった準備が必要なのについて、メンタル面からの具体的な手法をご提示いただいたことが、より良いコンディショニングで試合に臨むことのできた大きな要因だったと思います。

試合直前のセッションでは、レースの組み立てかた、レース展開の予想について、たくさん時間を割いて、話し合いを行いました。本番を想定したイメージトレーニングのためです。でもこのおかげで、私の頭だけでは考え付かない多くのレース展開までを想定し、それに対する準備をしっかり行って、レース本番に臨むことができました。その結果、全日本選手権では、全種目安定した成績を残して総合優勝を果たし、平昌オリンピック出場を決めました。本当に「ここ一番に強い自分を作り出すことができる」のだと思いました。


引用元:産経ニュース

初めて出場したオリンピックでは、今までやったことのなうようなミスを何度もしてしまい、本来の力を発揮することができませんでした。それだけ冷静ではなかったのだと思います。オリンピックで戦うためには、その大舞台で自分の目標を見失わないこと、そしてオリンピック特有の雰囲気にのまれないメンタルの準備が必要だと感じました。

次は、北京オリンピックへ向けた新たな挑戦が始まります。北京オリンピックでは、これだけは誰にも負けないという自信を持ってオリンピックのスタートラインに立つこと、そしてメダルを獲得することが目標です。次のオリンピックまで与えられた時間はみんな同じです。その時間をどうやって有効に使うか、一瞬一瞬を大切に過ごしていきたいです。順調にいくことばかりではないと思いますが、今後、自分がどれだけ成長することができるのか、とても楽しみです。

体験談の最後に書いてあるように、次は北京冬季五輪です。スピードスケートは協会主導による強化策が実を結び、平昌で結果を出しました。ショートトラックもその手法を導入して、北京で結果を出すべく、選手強化を推進しているそうです。菊池悠希さんにとっては、平昌は出ることに意義がある大会でしたが、北京はメダルを取ることに意義がある大会にすべく、これからのまずは2年間を過ごしてほしいと思います。そのための計画を一緒に考えています。

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