アスリート(スポーツ)

極限のパワーと持久力、そして技術が求められるボート競技におけるメンタルトレーニング

極限のパワーと持久力(心肺能力)、そして技術が求められる競技が何かご存知でしょうか?

もちろん、ほぼ全ての競技において、この3つの要素は必ず求められます。しかし、射撃やゴルフのように、技術に大きく偏るスポーツもあれば、長距離走のように、持久力に大きく偏るスポーツもあります。そして、重量挙げは、パワーに特化しています。

十種競技などを除いて、単体のスポーツでいえば、それはボート(漕艇)になるでしょう。ボート選手は、通常2000メートルのコースで、自らのパワーと持久力、そしてそれを水に伝えるローイングの技術が試されます。不安定なボートの上では、力を上手にオールに伝えたり、チームメイトとのバランスを保つテクニックもかなり必要です。

塾生の高橋君は、実業団チームで今年、ボートの花形競技である「エイト(八人乗り)」の一員として、先日行われた全日本選手権に出場しました。

残念ながらチームとして優勝はできませんでしたが、見事3位に入り、銅メダルを獲得しました。

入塾は一昨年前。半年かけて、レゾナンス呼吸やイメージトレーニングを習得したあとは、およそ3週間ごとに来塾し、その間の振り返りをしたり、試合に備えたテーマについて話しあったりしています。昨年冬、初めて日本代表候補として、代表合宿に参加したものの、最終選考には残れませんでした。

課題は技術面でしたが、全日本選手権までの半年で、大きな収穫がありました。

それは、「オンとオフ」を意識したローイング

がむしゃらに漕ぐのではなく、力のオンとオフを意識することで、よりスムーズに、大きなストロークができることに気づき、半年かけてモノにしていきました。そのヒントは、私がカーレーサーの話をしたところにあったそうです。

先週できたことが、今週できなかったの繰り返しでしたが、技術面の壁をひとつ乗り越えることができたそうです。

ボート競技において、パワーと持久力が試されるということは、それだけ練習も過酷になるということを意味します。筋力トレーニングに加え、心肺機能も有酸素運動で自分を追い込まなくてはなりません。実際、この1年位においても、極度の疲れと、腰痛などで、体がぼろぼろになり、それに伴い、メンタル面でも弱音を吐くことが何度かありました。

また実は昨年の全日本では、エイトで出場予定のところ、直前になってメンバー交代の憂き目にあいました。これらを乗り越えて、技術面での成長と、彼自身初のエイトでのメダル獲得です。

ときに不安定になりながらも、定期的に本音でメンタルの話をする機会を持つことができたことも、今回の成長に少しは役立ったかもしれません。本当に苦しい競技ですが、次の目標は全日本メンバー入り。まだまだ上の層は厚いそうですが、地道な努力を続けてほしいと思います。

近々、本人からの生の声をご紹介する予定です。全日本選手権では、ゾーンではないかというような不思議な体験もあったようです。

 

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