Dさんは、IT企業の経営者です。

数年前に、仲間数人で始めた会社ですが、仕事は楽しく、寝る間を惜しんで働き、今や上場を狙える位置まで来ています。

会社の体制も整い、上場に向けて、これからはトップ営業、広報活動、業界活動などの「社長業」に専念しなければならないと考えていましたが、Dさんには、実は悩みがありました。

特にこの2-3年、人と長く交わったり、大勢の人の前で話すのが、とても辛いということでした。

CapD_23仕事は楽しいし、会社も成長している。しかし、長く人と話していると、徐々に辛くなってきて、逃げたくなってしまうのです。

特に月曜日が辛く、会社に行くのがとても億劫になってしまっていました。

それでも社長ですから、職場に行かないわけにもいかず、この1-2年は、月曜日の朝は、出勤前に1時間くらいの散歩をしていました。それでなんとか少し楽になったからだそうです。

成功しているIT企業の社長が何で?と思ってしまいますが、これこそSAD(社会不安障害)の典型的な症状なのです。

SADとは社会不安障害(Social Anxeity Disorder)の略で、人の前で不安や緊張が強くなっていまう症状です。

パニック障害とは異なり、窒息してしまうような強い苦しみではないものの、じわじわと締め付けるような窒息感、理由がわからない不安や緊張に襲われます。

それがあまりにも辛いがために、対人接触を避けるようになったり、引きこもったりすることにつながることもあります。

Dさんの自己分析では、高校時代に転校したときに、新しいクラスに上手くなじめなかった経験があり、それが今になってトラウマとなって出てきているのではないか?ということでした。

しかし、その後、大学時代や起業当初は、そのような人間関係の問題はほとんどなかったことから、私は、それが一番の原因とは考えませんでした。

Dさんによると、自分なりに瞑想をしたり、運動したりすることで、症状が緩和するとのことだったので、やはりストレスがもたらす生理的なバランスの崩れが、不安症状を強くしていると推察できたので、入塾を薦め、呼吸法を中心としたメンタルトレーニングに取り組んでもらいました。

ただ同時に、今ではSADに効く薬があることも伝えましたが、Dさんは、まずは自分の努力で改善させる方法を選びました。

入塾後1週間で、Dさんは自分でも明らかな変化を感じていました。大勢の会議やパーティーなどでの心的苦痛が減ったそうです。

3週間後の報告では、100名以上の苦手だったプレゼンも成功に終わったそうです。

6回の集中コースが終わった8週間後には、これまでとはまるで異なり、社内社外ともに、人と関わることの苦痛がほとんどなくなり、月曜日の出社も本当に楽になり、気持ちよく卒塾されました。

Dさんのように成功されている経営者は、トレーニングへの取り組み方が違います。自分なりに工夫し、時間をうまくやりくりして、しっかりと取り組んでいたことも大きな要因でしょう。

私としては、本人の主観的な変化だけでなく、実は別の客観的な変化を感じていました。

本人には最後までお話ししませんでしたが、それはDさんの口臭です。

本人も気になっていたようで、セッション中、よくフリスクを口に入れていましたが、確かに私も、当初はDさんの口臭を感じました。ところが、集中コースの終わりのほうでは、それがほとんど感じなくなっていました。

ストレスで胃がやられると、口臭となって表れることがよくあるのですが、それが改善した、かなり客観的な証拠と言えるでしょう。

 

 

 

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