ラーメン二郎といえば、今では知らない人が少ないくらい、超有名なラーメンチェーン店です。
そのラーメン二郎の本店が、石井塾の近くにあることはご存知でしょうか?徒歩3分くらいで行けます。
私の出身高校は、三田にあったので、初めて二郎を食べたのは、もう30年前です。最近は、体に悪そうなので(笑)、食べるのは2-3年に1回です。
ラーメン二郎にはまった人を、ジロリアンというそうですが、ジロリアンにとって、ラーメン二郎の三田本店は「聖地」とのことで、最近では、以前よりもずっと、混雑しているようです。
ところで、なぜ、ラーメン二郎に、こんなにもはまる人が続出するのでしょうか?
今日は、ラーメン二郎にはまる脳科学について、少し考えてみたいと思います。
ジロリアンはよく知っていると思いますが、ラーメン二郎では、スプーン一杯ほどの、ある調味料を投入します。
この調味料は「グルエース」というもので、うま味成分を出す「グルタミン酸」が原料です。グルタミン酸は、「うま味」の成分としてよく知られていますが、脳内では、グルタミン酸は、神経伝達物質として、この物質がたくさん放出されるほど、神経活動が活発であることを意味します。
麻薬、アルコール、過食などの依存症患者は、脳内のVBAという部位が活性化しており、その活性に必要な神経伝達物質が、このグルタミン酸です。
つまり、ラーメン二郎に中毒者が続出するのは、ラーメン二郎のスープに含まれる、グルタミン酸を過剰に摂取することによって、脳内のVBAが活性化し、依存症のように、なってしまうというわけです。
というのは嘘です。
上記に書いたことは、ひとつひとつの事象や事実はそれほど間違ってはいません。
ただ、全体として、そうではないのです。
グルタミン酸は、間違いなく、興奮性の神経伝達物質ですが、興奮性の神経伝達物質が、必ずしも、依存や中毒を強化するわけではないし、そもそも、口から摂取されたグルタミン酸が、脳に戻るということも疑問視されています。
現在、ネットには様々な情報が氾濫していますが、まさにこういった情報が多いのです。
ひとつひとつの情報は間違いではないのですが、全体として、実際にはそうではないことが多いのです。
例えば、未だに店頭に並んでいますが、GABAという物質を含んだチョコレートに、ストレス軽減効果があるといわれています。
GABAは、抑制性の神経伝達物質であることは間違いありませんが、その成分で、人間のストレスが軽減されるという、決定的な証拠はありません。
むしろ、「チョコレートを食べる」ということに、ストレス軽減効果があるのです。
世の中に氾濫する、健康食品や健康法の多くは、こういった間違った科学を悪用しているか、そもそも理解していないで販売されています。
その一番の例が、コラーゲンです。
まあ、「コラーゲンを食べて、素肌プルプル!」と言いながら、女子会で、みんなで、モツ焼を楽しく食べることが、素晴らしい美肌効果になることも、間違いではないんですけどね。