先日、文化勲章の発表があり、寅さんシリーズで知られる山田洋次監督や、iPS細胞でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授などが選ばれました。また同時に、歌舞伎役者の松本幸四郎氏や、ジブリの宮崎駿監督が、文化功労者に選ばれています。これらの方々が、文化勲章・文化功労者にふさわしいのは誰にでも異論はないところです。
ところで、カウンセリング、ヒーリング、整体、健康法など、対人支援を行っている専門家のプロフィールのなかに、「社会文○功労章」を受章したと書かれているのをたまに見かけることがあります。
一見、文化勲章、文化功労者に似ているので、社会○化功労章を受賞したのであれば、たいそう立派な業績を残したのだろうと思ってしまうのが普通ですが、実はこれ、お金で買えてるものなのです。
国が関わっているのではなく、ある個人会社が認証しています。そして、その見返りに、お金を受け取っています。専門家にしてみると、経歴に簡単に「箔」がつけられるから、購入してしまうのでしょうが、ある意味、消費者・クライアントを騙しているわけですから、もしこの賞を受賞した人がいたら、要注意ですね。
社会文化○労賞のウィキペディアへのリンク
お金で買えるのは文化勲章だけでなく、博士という学位も買えるのです。
博士号とは、通常、最低5年程度の大学院課程を修了し、厳しい論文審査に合格したひとのみが得られるもので、取得するは本当に大変なことだし、多大な時間と労力がかかります。博士号を取得した人が、博士を名乗ることができ、海外ではドクターと呼ばれることもあります。修士号は、比較的簡単に取得できますが、博士号は、本当に難しいのです。だからこそ、その分野の専門家として認定される目安になるものです。
しかし、健康・自己啓発分野の専門家には、このなんちゃって博士号を購入し、自称「博士」を語っているがとても多いのです。しかも、その数は「なんちゃって文化勲章」の比ではありません。
というのも、このなんちゃって博士号を売っている大学が、海外には無数にあるからです。そして、その日本事務所も無数にあります。
これらの大学のほとんどが、国や自治体の認可を受けていない無認可大学で、実際には、校舎も教員もおらず、住所を辿っていくと、なんと存在するのは私書箱のみ、ということがほとんどのようです。これらの大学(商売)は、ディプロマ・ミルと呼ばれていて、国内外で問題になっています。ディプロマ・ミルとは、学位の製造工場という意味です。
ディプロマ・ミルのウィキペディアへのリンク
苦労して、修士や博士をとった人たちからすると、怪しい博士を語っているひとは、すぐに見分けがつくのですが(聞いたことのない、論文では見かけない大学名がほとんどだから)、一般の消費者にはわからないのが実情です。
最近では、この学位商法は下火になっていますが、今でも、さりげなくプロフィールに掲載している人は少なくありません。また、最初に売れるまで、これらのなんちゃって学位や勲章を使って、しばらくしてからプロフィールから削除する人も大勢います。右脳の権威のあの人もそうです。
メンタルトレーニングの分野でも、多くの有名選手を指導し、学校を運営したりしている、某著名メンタルトレーナーも、かって、ミンダナオ大学名誉博士を語っていましたが、今では、その痕跡はありません。もう十分に有名なので、そんなものの力を使う必要がないからでしょう。
専門家が、自分を大きく見せることを支援する、本当に色々な商売があります。でも、まだまだあるんです。あなたが取り組んでいる健康法、その提唱者は大丈夫ですか?