雑談余談

塾OGの登山家が念願のエベレスト登頂を実現!

10年ほど前の2013年に、30代で趣味で山を始めて、3-4年経った女性登山家が入塾しました。

たんなる趣味での山登りは飽き足らず、登山の中でも最も過酷である、岸壁・氷河なんでもあれの、アルパインクライミングに挑んでいました。

世界の名峰の登頂、そのために、これから厳しい冬山登山をこなしていくなかで、不安や恐怖に負けないメンタルを身につけたいとのことで、私のHPを見て、申し込んでくれたのです。

私の記憶だと、まずは近々の目標として、スイスのマッターホルン登頂を目指しているとのことでした。

入塾していたのは10年前で、約半年ほど通ってきてくれていましたが(当時は面談が主)、フランスのシャモニーという登山家の聖地みたいなところで合宿に入るタイミングで卒塾しました。

私にとっても登山家は初めてであり、印象に残ったので、当時、ブログ記事に残していましたが、その後、彼女がどうしていたのかは全く知りませんでした

なぜ人は山に登るのか?登山家のメンタルトレーニング先月入塾された女性アマチュア登山家のMさん。30代で、山に目覚め、トレッキングやクライミングには飽き足らず、今ではアルパインクライミング...

2021年春に、スポーツクライミングをやっている高校生N君が入塾しました。

N君は当時、高校生としては全国レベルでしたが、ジュニアの大会で表彰台に上ったり、上らなかったりくらいの成績でした。

しかしN君はぐんぐん実力を上げて、今年2月のジャパンカップ(兼日本代表選考会)で、五輪出場者ら強豪たちを抑えて、準優勝したのです。かなりの大番狂わせです。

これにより、今年2023年のワールドカップへの参戦が可能になりました。

スポーツクライミングはイメージがとても重要な競技で、N君は石井塾でイメージ力をかなり鍛え上げられていました。

N君が準優勝したとき、ふと、10年前に来ていた、この女性登山家のことを思い出し、今、何しているかネットで検索してみたのです。

そうしたらなんと、塾に来ていた2年後くらいから、世界各地の名峰を次々と踏破していていました。

そして、あとはエベレストのみ!というところで、コロナ渦になり、計画が止まっているところだったのです。

本人のウェブサイトから転載すると、こんな感じです。

2014.08.06 モンブラン(4810m)ヨーロッパアルプス最高峰
2015.08.08 アイガー登頂
2015.08.12 マッターホルン(4478m)憧れの山
2016.08.04 バティアン(5199m)アフリカ大陸第二高峰
2016.08.11 キリマンジャロ(5895m)アフリカ大陸最高峰
2017.01.04 ヴィンソンマシフ(4892m)南極大陸最高峰
2017.07.04 デナリ(6190m)北米大陸最高峰
2017.10.19 カルステンツピラミッド(4884m)オーストララシア大陸最高峰
2018.02.26 アコンカグア(6962m)南米大陸最高峰
2018.03.09 オホス・デル・サラード(6893m)南米大陸第二高峰
2018.06.22 エルブルース西峰(5642m)・東峰(5621m)ヨーロッパ大陸最高峰
2018.12.05 コジオスコ(2228m)オーストラリア大陸最高峰
2018.12.05 タウンゼンド(2209m)オーストラリア大陸第二高峰

凄いの一言。

でもただ凄いだけでないのです。

彼女のHPによると、2015年に乳がんが見つかり、2016年に手術していたのです。

つまり、闘病を続けながら、これらの偉業を重ねていたのです。

HPを見つけて、私はすぐに彼女にメールしてみました。

そうしたら、すぐに返信があり、今(2023年2月)は残るエベレスト登頂のために準備を重ねているとのことでした。

そしてついに、2023年5月末に、エベレスト登頂を果たしたらしいのです!

本人のウェブサイトから

本人は、同じような乳がんで闘病をしているひとへの情報発信となれば良いと思い、乳がんを公表しながら、登山活動のブログを続けているとのことで、塾のブログで彼女の取り組みを実名で紹介しても構わないとの許可をもらっています。

今回、たまたま知ることになりましたが、私が過去に関わった方が、こんな偉業を達成していたことに、私もとても嬉しく思いました。

こんな偉業を達成するような人に選んでもらい、私から心の鍛え方を学んでもらえたことも、とても誇りに思いました。

それと同時に、彼女への指導経験があったからこそ、N君への指導がとてもスムーズに行うことができ、N君は早く結果を出すことができたのかなとも思います。

そのN君が、ジャパンカップで準優勝し、今年初めて参戦するワールドカップ第3戦が、フランスのシャモニーで行われます。

シャモニーは、この記事の前半にも出てきましたが、この女性登山家が、塾のトレーニングのあとに向かった登山家の聖地です。

こんなところでも繋がりがあります。

私も、メンタルトレーニング指導を始めてほぼ20年になろうとしています。

これまで個人指導で関わってきたひとは、実質800名くらい。

本当に様々な年代、職種、競技の方がいました。

彼らとの経験こそが、ほかのコーチにはない強みであり、今後のセッションでも活かせればいいなと思います。