あがり症の克服

あがり症改善プログラムに必要不可欠な4つの要素とは?

極度のあがり症は、症状や原因が複雑になっている

軽度や中程度のあがり症の克服には、レゾナンス呼吸法を毎日練習したうえで、あがり症が起こる本番前に1分-5分ほど、レゾナンス呼吸をすることを忘れなければ、改善効果は感じられるようになります。

しかし、長年染みついたあがり症や、衝撃的なトラウマ記憶からくるあがり症は、レゾナンス呼吸だけで克服できるほど甘くはありません。理由は様々ですが、簡単に言ってしまえば、あがり症の症状が、より深く、より複雑になっているからです。

このため、単純な呼吸法では効果が弱いのです。また呼吸法だけでなく、筋弛緩法、成功イメージ、タッピング、プラス思考、自己暗示、セルフトークなどなど、ほとんど全ての心理療法に当てはまります。

複雑に絡み合った深刻なあがり症状は、こういったシンプルなスキルや対処法で簡単に解きほぐせるはずはないのです。

もっと言ってしまえば、最初はそれほど深刻でもなかったあがり症が、どんどん失敗経験を重ねただけでなく、自己流での対処法を中途半端に行ったがために効果を感じられず、結局自分のあがり症は治らない、という間違った認知を強化して、症状を複雑にしてしまっている人もいます。

それではどうしたら良いのでしょうか?

深刻なあがり症改善に効果的なプログラムの4要素

音楽と感情の心理学という書籍は、私が音楽家向けのあがり症克服プログラムを作るうえで、とても参考にした書籍です。海外の先進的な心理学者が執筆したもので、内容は新しいです。

この本の中で、著者は、演奏のあがり症・不安を克服するうえで有効な治療法には、4つの要素があると述べています。

これらの4要素は、一般の方のあがり症克服についても当てはまるので、紹介したいと思います。

自己査定スキル 自分がどれだけ緊張しているかを客観的に把握する。これがないと自分が学習している対処スキルの効果がわからない。
ラクセーションスキル 生理系の興奮をコントロールできるようにする。演奏不安とは生理ストレスであり、それをコントロールできるようする具体的方法が決定的に大事である。バイオフィードバック訓練が有効。
認知的スキル 演奏前や演奏中に起きる否定的な考えに対抗する。方法は多いが、具体的には、イメージ演奏や思考の言語化
本番で役に立つ
メンタルスキル
記スキルを身につけても、本番で使えないと意味がない。あがり症の音楽家の多くは、自分にとって何が有効かを判断する段階に達しないうちに、すぐに別の方法を試してみようとする傾向にあり、決め手となる対処スキルがなかなか身につかないのが問題である。

簡単にいうと、どんなテクニックも、これらの4つのスキルの枠組みの中で考えなければ、効果は限定的であり、極度のあがり症を克服するには不十分だということです。

だから自己流でのあがり症克服は難しい

s-GV068_L実際、私が、これまで関わった極度のあがり症の方の多くが、自己流で、呼吸法や自律訓練法、成功イメージなどに取り組んでいました。しかし、ほとんどが、その効果を感じることが出来ていなかったのは、変化を起こすために重要な、これらの4つの要素が不足していたからです。

努力はされていたのに、その努力の大半が無駄になってしまっていたのです。

自己流であがり症を克服することの難しさが、ここにあります。平常心メソッドに真面目に取り組んだとしても、必ずしも全員が改善するものではないのです。

あがり症の深刻度チェックで、5つ以上該当するような極度のあがり症の方は、やはり経験と知識を持った専門家から、この4つの要素を含んだプログラムを集中的に受けることが、一番確実な方法だと思います

メンタルトレーニング石井塾の「平常心コース」では、これらの4つの要素を踏まえており、プロの専門家がしっかりと、本番で使えるようになるまで、メンタルスキル(対処法)を指導しています。

具体的には、呼吸法やイメージといったストレス対処法を、バイオフィードバックを使って正しく繰り返し指導し、本番で使えるようになるまで、地道に少しずつ負荷をかけながら上達させていきます。

そのうえで、個人セッションを通して、これらの対処法がどのような効果があったのかを、一緒に振り返ります。そこに間違った思い込みや偶然の要素があれば指摘するので、正しい客観的な自己査定ができるようになるのです。

このサイクルを繰り返していくことで、本当に自分にあったスキルを発達させることができるようになります。

このサイクルを作り上げれば、あがり症の克服は、「深刻度×時間」の問題です。

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