Nさんは、外資系一流企業に勤める30代のエリートサラリーマンです。

そんなNさんですが、実は、学生時代から15年近く、人前で書くときに手が震えてしまう「書痙(しょけい)」という症状に悩んでいました。

GUM01_PH04003Nさんの顧客は大企業がほとんどで、顧客訪問の際には、必ず受付があり、自分の名前と訪問先を、受付票に記入することが求められます。

その際、受付スタッフの目の前で名前を書くときに、ひどく手が震えてしまうのです。

また、残業をして、オフィスビルからの退館時に、守衛室で、退館者名簿に名前の記入を求められときにも、それは頻繁に起こります

このような状態では仕事にならないので、Nさんは、社会人になってから、医療機関を受診し、書痙を抑える薬の処方をしてもらっていました。

薬の効果で、受付で全く手が動かなくなることはなくなりましたが、それでも、記名が求められる顧客訪問が予定に控えているだけで、その数日前から気分は憂鬱になりました。

また、できる限り、記名が必要な顧客への訪問を避けるようになっていきました

事情を知らない、先輩や上司からみると、それは非合理的な行動に見えるようで、時々、そのような行動を咎められ、言い訳に四苦八苦することもありました。

Nさんが入塾したきっかけは、かかりつけの病院の医師から、書痙の改善にバイオフィードバックを勧められたからでした。

そこでネット検索したところ、大森にある某病院がヒットして、まずはそこを訪問してみましたが、診療時間が平日昼間のみで、スケジュール的に定期的に通えそうもないということで諦め、その流れで、土曜日や平日夜に通える石井塾を見つけて、やってきたのです。

GUM01_PH04039結果からいえば、それが大正解でした。

これまで毎週2回は服用していた薬は、入塾後4カ月で、たった1回だけの服用になりました。その1回も、期末で残業が重なり、心身ともに疲労していたことから、念のために服用したものでした。

それ以外は、少し字が汚くなりつつも、薬なしでも会社訪問ができるようになりました。

とはいえ、現在、受付で記名するさいに、全く震えないとか、不安や恐怖が湧かないということではありません。やはり、その都度、感情的には少し動揺してしまうそうです。

また、海外出張のさいに、ひどく手が震えてことがありましたが、そのときは、しばらく呼吸法で落ち着かせながら、時間を稼いで、しのぎました。

しかし、それでも、これまでのように、受付のある顧客訪問が決まった数日前から、不安が強くなってしまって、仕事や生活に没頭できないということはほぼなくなりました。

10年以上、ずっと薬を飲んでいたことを考えると、大きな改善といえるでしょう。

書痙の原因は、いくつかあると考えられるのですが、Nさんの場合は、かなり純粋なあがり症、心理トラウマ反応だったというのが、短期間で大きく改善した最大の理由でしょう。

書痙や、イップスについての考察は、別ブログ『塾長の脳の探求』で取り上げていますので、興味のある方はご覧ください。

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コメント一覧
  • はじめまして。
    私は今年で62歳となりました。実は書痙の症状が出るようになって40年程になります。20代前半、仕事で共同作業中に私がメインで集計表を作成している時、ブルブルと震えて作業が出来ず、他の人に替わって貰ったことがあり、その他の人にも震えを見られたことが
    後々記憶に残り困りました。精神障害ではと思いその後悶々とすることとなりました。その後転職して会計事務所で申告書を作成する仕事をしましたが、誰かに見られていたり、作成を待たれていたりすると震えが止まらなくなりました。会計の仕事は好きでしたが、職場環境がつらく転職して会社勤めで経理の仕事をしましたが字を書かなければならない場面で上司に震えを見られてしまいました。
    が幸いその後コンピュータの導入があり、その推進人の一人となり
    数字も文字もキーボードを叩くことでカバーできるようになりました。その後しばらく、ごまかしごまかしで数年過ぎましたが、手の震えは直らずコンピュータがあるにもかかわらず、仕事に支障を感じついに右手で書くことを断念し、左手で書くようになりました。これも幸いなのですが私は元来左利きでしたので左へのコンバートはスムーズに行きました。ただし昔の学生時代のようには早く書くことは出来ませんでした。このような状態でまた10数年を経過してきましたが、忙しい時期などは今度は左手がのたくるようになりました。まだのたくる程度で、忙しくなければのたくりは落ち着きます。趣味で絵画を描いていることもあり、これ以上不自由したくはありません。60歳を過ぎた人間でも回復できるのでしょうか?
    精神病者扱いされたくないので、いままで誰にも相談したことはありません。打ち明けたことはありません。会社などにはなおさらです。62歳まで何とかやってきたのでコメントする気にもなりましたが、直ることはあるのでしょうか?


    2015年11月2日 3:44 PM | 中田 昭

    • 塾長の石井です。
      書痙やあがりは精神病や精神障害ではなく、単なる心身症状です。程度にもよりますが、早めに対処すればするほど、回復は早いです。
      40年以上も書痙を抱えているケースで、メンタルトレーニングがどれだけ効果があるのかは、正直わかりません。
      ただ、この塾生は10年以上、書痙で悩んでいましたが、ここに書いたとおり、3カ月で、かなり書痙は改善されました。
      また、60歳を超えた方でも、地道にメントレに取り組んで、あがりを克服された方はいます。
      年齢に関係なく、どれだけ地道に取り組めるかです。


      2015年11月2日 9:18 PM | brain-coach

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