10年くらい前に流行った「水からの伝言」という話を聞いたことがありませんか?
具体的には、ペットボトルなどに貯めた水に、毎日「ありがとう」という言葉をかけていると、その水の結晶を特殊技術で撮影すると、すごく綺麗な結晶になる。反対に、「馬鹿やろう」という言葉をかけていると、その水の結晶は崩れてしまう。
提唱者によって撮影された「感謝の水」の結晶はとても美しく、世界中から集まった「感謝の水」と、それを作った子供たちとともに映った写真集がたくさん発売されました。
私たちの心は、周りのものに、物理的な影響を与える力を持っているものであり、そのような気持ちを持っていれば、ひとりひとりが世界を変えることができる。
ここまでだと素晴らしい美談で、道徳の授業に採用した学校教師も大勢いたそうです。
今では、この水の結晶の話は、全くのフィクション(作り話し)であることが、科学者やメディアなどで何度か暴露されていて、さすがに道徳の授業で使われることは少なくなっているようです。
http://d.hatena.ne.jp/hal_tasaki/20051217/p1
「水からの伝言」の提唱者は、元々、「波動」を提唱している人の一人で、波動転写水なる機械を200万円近い金額で、製造販売している会社の社長です。そして、波動転写水を使って作った水は、良いエネルギーを蓄えているので、これを毎日飲むことで、健康を維持できると謳っています。
もうお分かりでしょうが、「水からの伝言」の話が広まることで、この機械の販売が促進されるのです。素晴らしいマーケティングですね。これを考えた人は、本当に天才だと思います。世の中には、このような健康・自己啓発ビジネスが無数にあります。
波動転写水以外にも、波動を測定して、体の健康を測定でき、さらには治療までできてしまうという機械が、100万から300万で売られています。
それらの機械は、波動の「本場」ドイツで開発されたものと紹介されることが多いのですが、ドイツで波動研究が進んでいるという事実はないようです。
とはいえ、この10-20年位前から、波動を「量子論」で科学的に解明しようとする動きが出ています。先日放映されたNHKの「超常現象 科学者たちの挑戦」というドキュメンタリーでも、量子とこころの関係性が紹介されていました。番組によると、もう偶然では説明できない科学的データが蓄積され始めているようです。
そして今、この量子論をベースとした、高額な健康器具、量子セラピーが出始めています。人体から放出される量子を測定することで、心身の問題がわかり、しかも、それを解決できるというのです。
まだ研究が始まったばかりの「量子とこころ」の関係なのに、科学的には「偶然では説明できない」くらいしか説明できないのに、もう商品化されているとは驚きです。
なお、こういった商品の一つ、バイオレゾナンスというものがあるらしいのですが、私が提唱しているレゾナンス呼吸や、脳波や脳血流のバイオフィードバックとは無関係です。