バイオフィードバック訓練は、石井塾が理想とする「考えないで、感じる」を可能にするメンタルトレーニングです。
バイオフィードバックとは、心拍数・筋緊張・脳波などの「生体指標」を専用センサーからパソコンに読み取り、リアルタイムで本人にフィードバックすることによって、自分の心と体の状態を正しく理解し、望ましい方向に修正することを可能にするメンタルトレーニングです。
例えば、大事な場面で緊張しすぎたり、考え過ぎてしまう人は、
- 肩に力が入る
- 汗をかく
- 心拍数が高くなる
- アルファ波が少なくなり、ベータ波が増える
といった身体変化が起こります。
バイオフィードバック訓練では、専用機器で、こういった身体変化を測定し、その数値やグラフをモニターなどに表示します。選手は、その数値を正常に戻すことで、緊張を正しくコントロールする方法を学ぶのです。
メンタルトレーニングの効果を「見える化」させることができるので、呼吸法やイメージトレーニングを継続するモチベーションにもなります。
実際、石井塾に入塾した全ての人が、基礎トレーニングとしてレゾナンス呼吸を学びますが、全員が携帯型のバイオフィードバックツールを貸与され、それを活用して毎日トレーニングをすることを推奨されます。

このツールを使えば、呼吸法やイメージが上手くできているかわかるので、ついサボってしまいがちになる毎日のトレーニングを継続することができます。
バイオフィードバックの種類と方法
石井塾では、現在、次の5種類のバイオフィードバック訓練を行えます。
● 心拍数(HR)
● 心拍変動(HRV)
● 筋緊張(EMG)
● 脳血流(HEG)
● 脳波(EEG)
これらの生理指標を測定することで、呼吸・集中・イメージなどのメンタル能力が、本当に高まっているのか、さらには、どれだけ高まっているのかを確認することができます。
バイオフィードバック訓練は、海外では広く普及しており、海外の先進的なメンタルコーチのあいだでは、積極的に導入されていますが、心理教育が遅れている日本では、まだまだ認知されていません。
ただし、現実問題として、脳波や脳血流のバイオフィードバックトレーニングは、より深い集中力、より繊細なイメージ力を高める上で有効なツールではあるのですが、一定の成果を感じるまで時間がかかることが多く、費用対効果を考えたときに、なかなか全員に強く勧められないところが短所です。
石井塾では、より精度の高い集中力トレーニングを希望される人にだけ、バイオフィードバック訓練を提案しています。

脳波のバイオフィードバック。望ましい脳波になると、パックマンが動き出す!
バイオフィードバック訓練で実現できることと、その問題点
バイオフィードバック訓練を上手く活用すると、次のような目的を達成できます。
学習・受験 |
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仕事・ビジネス |
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スポーツ・演奏 |
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人間関係 |
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しかし、注意が必要なのは、バイオフィードバック訓練の効果は万能ではなく、必ずしも、全てが同時に達成できるものではないということ。むしろ、詳細なヒアリングから計画を立てて、どのように訓練するかが非常に大事です。
実際、1970年代、日本でも海外でも、脳波をアルファ波にすることで、「夢が実現する」「なりたい自分になれる」というようなバイオフィードバック効果が大きく喧伝され、一時期、一世を風靡しました。
その風潮はすぐに廃れましたが、これは正しい知識やトレーニングに基づくことなく、その効果だけが大げさに注目されてしまったからです。この結果として、海外でもバイオフィードバックの普及が20年位遅れたといわれています。
しかし、今では、多くの研究者・臨床家による努力によって、正しい脳波の理解が進み、医療で、心理で、スポーツの現場で、バイオフィードバックが再び使われ始めています。