特集記事

本番に強くなる方法|練習熱心な人ほど陥るワナ

スポーツで、プレゼンで、音楽の発表会で、普段の練習ではできることが、本番になるとできなくなってしまうのは、なぜでしょうか?

練習量は誰にも負けないくらい頑張っているのに、なぜか本番でだけ、練習通りの力が出せない…。

そんな悔しい思いをしていませんか?
あなたの努力は報われていますか?

もし、その原因があなたのメンタルの弱さではなく、良かれと思って続けている「練習方法」そのものにあるとしたら、どうでしょうか?

この記事では、多くのアスリートや演奏家、ビジネスパーソンを指導してきたプロのメンタルコーチが、練習熱心な人ほど見落としがちな「失敗の原因」と、その具体的な「対策」を、科学的根拠に基づいて丁寧に解説します。

【理由①】なぜ「練習通り」にできないのか?脳の不都合な真実

基本的には誰でも、練習よりも本番のほうが、パフォーマンスの質は下がります。

なぜなら、私たちの脳の仕組み上、そのようにできているからです。

いつもとは違う場所や、プレッシャーのある状況においては、脳の出力パターンが変わり、脳は、普段の通りのアウトプット(技能や思考)ができなくなります。

そして、いつもと同じようにできないことが、新しい不安とストレスになるので、さらに出力パターンが変わり、もっとできなくなります

このような悪循環に陥ってしまったことがある人は少なくないはずです。

この「練習と本番の差」は、プロの世界でも永遠の課題です。

プロ野球の名将・野村監督が、以前、雑誌のインタビューにこう答えていました。

プロ球団に入団できる投手は、ごく一部の超一流選手を除いて、ブルペンで投げるボールに大きな差はない。成功するかどうかは、バッターに投げるときに、ブルペンと同じボールを投げられるかどうかで決まる

プロ野球選手でもそうなのです。

程度の差はあれ、本番と練習ではパフォーマンスに差が出てしまうのは、脳の問題で、基本的に避けられないのです。

【理由②】練習熱心な人ほど陥る「ワナ」の正体

では、そのパフォーマンスの差を埋められないどころか、かえって広げてしまう「ワナ」とは何でしょうか。

それは、多くの人が上達の必須条件だと信じて疑わない「反復練習」です。

これはちょっと意外に聞こえるかもしれません。

反復練習の「神話」をメンタルトレーニングで打ち破ろう!今回は「反復練習」についての話です。 あまりメンタルトレーニングと関係ないように思えるかもしれませんが、私がメンタルトレーニング指...

しかし、反復練習は上達の必須条件であることは間違いないのですが、反復練習をすることで本番力が下がるということが多くの研究で実証されています。

ゴルフの例がわかりやすいです。

実際のラウンド本番では、ドライバーを連続で打つことはありません。

練習場で、ドライバーを何球も連続で打てば、ナイスショットが増えてきますが、それが本番のたった一打でできる可能性は下がることもあるのです。

これは野球でも同じです。

打撃投手にずっとカーブを投げてもらえば、カーブを打つコツをつかみ、しばらくは快音を響かせることができます。

「これで俺はカーブの打ち方がわかった」という自信もつきます。

しかし、本番では「カーブがいつくるかわからない」のですから、体は思ったように動いてくれないのです。

【対策①】明日からできる!「本番力」を高める科学的な練習法

では、反復練習のワナを避け、「本番力」を高めるには、具体的にどうすればいいのでしょうか?

その答えのひとつは、反復練習をできる限り減らし、少しでも本番に近い練習環境をつくることです。

このような練習方法は面倒くさいし、その日の練習の「満足感」を下げます。

しかし、長い目で見ると「真の上達」につながり、本番でできる可能性が高まるのです。

具体的には、以下のような原則が挙げられます。

  • 一回ごとの練習を大切にする
  • 練習メニューを固定しない
  • 状況を常に変化させる
  • イメージトレーニングを増やす

本番ではやり直しができないのですから、反復練習は本番対策にはなりません。

ですから、ゴルフの練習においては、ドライバーばかり連続で打たず、短い距離のショットも打つ。

ピアノでは、ショパンばかり弾かずに、ベートーベンやバッハも弾く。

野球では、打撃投手に、ストレート、カーブ、スライダーをランダムで投げてもらう。

このように交互に練習するほうが、本番での成功率が上がりやすことがわかっています。

反復練習のことを「ブロック練習」、交互練習のことを「ランダム練習」ともいい、ランダム練習のほうが本番での成績アップにつながることが、近年の学習科学では常識になりつつあります。

【対策②】明日からできる!「本番力」を高めるメンタルトレーニング

そして、この質の高い練習の効果を最大限に引き出すために、もう一つ重要な要素があります。

それが、プレッシャー下で心を整え、集中力をコントロールする技術、すなわち「メンタルスキル」です。

具体的は、呼吸法、ルーティン、イメージ、セルフトークなどです。

レゾナンス呼吸法で、いつでも平常心を再現できるようになろう!レゾナンス呼吸法TMとは、塾長が提唱し、商標登録している呼吸法のやり方です。 海外の医学・生理学・スポーツ心理学の論文に記載されて...

こういったメンタルスキルを習得するための訓練が、メンタルトレーニングなのです。

質の高い練習で本当の実力を育み、それを本番で100%発揮するためにメンタルスキルで心を制御する。

このような「メンタルスキル」と「本番に強くなる練習方法」、その両輪で成功体験を重ねていくことで初めて、真の「本番力」が手に入るのです。

それがコーチ歴20年の私の今の考えです。

【事例紹介】ある音楽家を救った「1日1回」の練習法

では、この「本番に近い練習」とは、具体的にどのようなものでしょうか。

以前、私がコーチング指導した、ある音楽教師の事例をご紹介します。

彼女は音楽教師をしながら、年に数回、演奏会でバイオリンを披露していました。

しかし、「練習ではうまく弾けるのに、本番になると緊張で失敗してしまう」という悩みを長年抱えていたのです。

そんな彼女が本番前に必ず行っていたのが、「1日10回連続ノーミスで弾くまで終えない」という反復練習。

これを達成することで、自信をつけて本番に臨もうとしていたのです。

しかし、実はこの練習こそが、彼女の「本番力」を奪っていました

考えてみてください。

自宅の練習室で「さっきも弾けた曲」を繰り返す時と、お客様の前で「たった一度きり」の演奏をする時とでは、心の状態が全く違います。

繰り返しの練習には、本番特有のプレッシャーがまったくないのです。

そこで私が提案したのは、「その曲を<通し>で弾くのは、1日1回だけにする」という真逆の練習法です。

通しは1日1回きりとなれば、その一回に良い意味でのプレッシャーがかかります。

当然、ミスも出やすくなるでしょう。

でも、それでいいのです。

なぜなら、そのプレッシャー下で出るミスこそが、彼女の弱点だからです。

そのあと、ミスが出た箇所を部分練習で集中的に修正しました。

このような本番を模倣した「一発勝負」の「通し練習」を繰り返すことで、緊張感や気持ち悪さに徐々に慣れ、本番への耐性をつけていったのです。

ひどい緊張から講師演奏でボロボロになり、何度も止まっていたピアノ教師 4年で驚きの変化とその取組方法とは?講師演奏で緊張がひどく、本番で何度も止まり、10数年以上もひとりで苦しんでいたピアノ教師のメンタルトレーニング事例を紹介します。...

まとめ:あなたの努力を無駄にしない方法を、一緒に考えませんか?

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

自分の仕事や趣味(スポーツや楽器)への情熱を持ち、練習量と練習時間はだれにも負けないのに、どうしても本番で結果が残せない

そんな真面目なあなたは、「努力の仕方」を間違えている可能性があります。

「この考え方には納得できるが、実際に自分でできるだろうか?」
「私の場合は、どのような練習方法ができるだろうか?」

もしこうお考えなら、あなたの努力を無駄にしないためにも、メンタルトレーニング石井塾で、新しい発想のもとに上達計画を作りませんか?

また、本人はなかなか気づけないことも多いので、ご家族がご覧になっているのであれば、ぜひ後押ししてあげてください。


本番力向上のために、練習方法の見直しと同様に大切な「メンタルスキル」、そのなかでも呼吸法について詳しく解説した私の書籍を、今、メルマガ登録で無料ダウンロードできます。

こちらも参考にしてみてください。

自分を変える第一歩

塾長メルマガへの登録で、塾長書籍「ここ一番に強い自分は科学的に作り出せる!」を一冊丸ごとPDFダウンロードできます。

また、最新情報をお伝えするとともに、無料メール講座、特別割引、動画講座やzoomセミナーなどの案内も致します。登録後、不要であれば簡単に解除できます。

塾長メルマガ登録