シータ波の真実 その3 ADD/ADHD編

ADDやADHDという症状をご存知でしょうか?

日本語では、ADDは注意欠陥障害、ADHDは注意欠陥多動性障害と呼ばれ、その言葉の通り、一つのことに注意を向け続けることができない、集中できない、落ち着いていられないといった症状を抱えています。

ADD/ADHDの子供たちは、学校で、授業中に自席に座っていることができず、教室の内外を歩き回ったり、夜遅くまで起きて、家の中を駆け回ったりします。

実は、ADD/ADHDを抱えている人たちの脳波でも、シータ波が深く関係していることが、脳波研究からわかっています。

「シータ波=集中」と考えてしまうと、ADD/ADHDには、シータ波が不足していると考えてしまいがちですが、実はそうではないのです。

ADD/ADHDの脳波研究は、十数年前から多く行われていて、現在では、かなり確立された研究成果の蓄積があります。それを、簡単に要約すると、次の2パターンに大きく(ほぼ半数)に分かれます。

(1)ベータ波がとても強い
(2)シータ波がとても強い

面白いことに、この2つのパターンは、真逆のことを意味しています。

ベータ波とは忙しい脳波であり、これが強い場合、その脳部位は、強く働いています。
シータ波とはゆるい脳波であり、これが強い場合、その脳部位は、あまり働いていません。

不思議に思う方も多いと思いますが、脳波をよく勉強すると、ここが面白いところであり、注意や集中といったものの本質がわかるところです。

つまり、注意や集中は、脳が働きすぎてもダメ、働かなくてもダメ、ということです。

ベータ波が強すぎる場合は、多くのことに注意が行き来したり、一つのことに過集中になってしまったりする傾向が生まれることであり、シータ波が強すぎる場合は、唐突に注意が途切れ、一つのことに深く集中できなくなる傾向が生まれます。

つまり、どちらかに偏ってしまったときに、外部からは、注意欠陥や集中力が続かないという症状に見える行動を起こしてしまうのです。

反対にいえば、一つのことに集中できない、注意欠陥の症状が起きているとしても、それが、ベータ波が強すぎるからなのか、それともシータ波が強すぎるからなのかは、実際に脳波を測定してみないとわからない場合が多いのです。

脳波トレーニングのメリットは、自分のパターンがどちらかを確認したうえで、それを望ましい正しい方向に修正するトレーニングができることです。

つまり、ベータ波が強すぎる場合、ベータ波を抑えるトレーニング。シータ波が強すぎる場合には、シータ波を抑えるトレーニングをプログラムし、実行していけるのです。

なお、シータ波が強い傾向のひとが、集中力に良かれと思い、バイナリービートでシータ波に設定したら、どうなるでしょうか?

シータ波の傾向がさらに強くなる可能性があり、それはつまり、ADD/ADHDの症状がひどくなる可能性があります。ですから、本来、それはやってはいけないアプローチなのです。

石井塾では、脳波測定によるADD/ADHDの診断は行いませんし、治療のためのトレーニングも行いません。ADD/ADHDが疑われる方は、医療機関を受診してほしいと思います。

ただ、日常生活や学習、仕事面において、最近どうも集中できない、もっと集中できるようになりたいと思われる方には、脳波測定して、自らの脳波パターンを確認したうえで、正しい方向に修正する脳波トレーニングをすることによるメリットは、大いにあると思います。

正直、時間はかかります。でも、その効果は、自己暗示や催眠ではなく、確実に脳(脳波)を変える効果があるのです。

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