演奏が怖い・・・演奏不安(MPA)とは?

音楽家の多くは、本番で演奏するときに、通常では体験できないような快の感情になることが知られています。それが、いわゆる「フロー」や「ゾーン」であり、そこまでいかなくても、観客に自分のパフォーマンスを見せられたことへの喜びであり、もしくは、これまで厳しい鍛錬に耐えてきたことへの、一種の満足感かもしれません。

しかし反面、演奏本番になると、負の感情に襲われる音楽家も少なくありません。

演奏不安(MPA/Music Performance Anxiety)とは、文字とおり、演奏するときに不安になり、心身のコントロールが利かなくなってしまう症状です。

0063756_XS繊細な旋律を奏でなければならない演奏家にとっては、非常につらい症状で、思った通りに演奏できないだけでなく、途中で止まってしまうなど、致命的な結果をもたらすことも少なくありません。

アマチュア音楽家の中には、技術が向上し、演奏レベルが上達すれば、こういった演奏不安はなくなるものでは?と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

技術が上になればなったで、さらに高いレベルの演奏を求められるし、難しい曲やパートが待っています。

ですから、プロの音楽家でも、このような演奏不安を抱えている人は、意外と多いようです。

実際、1997年に、FIM(音楽家国際連盟)が行った調査によると、20%以上の音楽家が、過去に、ベータ遮断薬(ベータ・アドレナリン・ブロッカー)という、あがりを抑えることができる薬を飲んだ経験があるそうです。
あがり症の改善薬とドーピング規制

オーケストラでもよく演奏している私のクライアントも、複数の楽団員が、演奏前に、何か薬を飲んでいる様子を見かけるそうです。

また、身体的な過覚醒を抑えるベータ遮断薬だけでなく、心理的な不安を抑えるベンゾジアゼビン系の「抗不安薬」や、精神安定剤、睡眠薬を服用している演奏家も少なくないようです。

以前、情熱大陸という番組で、指揮者の佐渡裕さん(題名のない音楽会で有名)が出ていましたが、向精神薬を複数服薬しているシーンが放映されていました。

佐渡さんほどの人物となると、服薬の理由は、演奏不安というよりも、過密スケジュールがもたらすストレスや、時差による不眠症が原因だとは思いますが・・・。

演奏不安という症状は、決して病気ではないですから、結果として、その克服のために、専門家に相談をするという行動につながりにくく、ひとりで長い間、問題を抱えてしまう傾向にあります

病気ではないということは、逆に考えると、きちんと対処すれば、薬の力を借りなくても、克服できるということです。

長い間、必死に練習したことの成果を、コンサートやコンクール、オーディションなどの本番で発揮できないのは、残念で仕方がありません。演奏の喜びを実感できない、それどころか恐怖の対象になるだけでなく、将来の可能性を奪ってしまうからです。

私はこれまで、非常に多くの方のあがり症の克服を支援してきましたが、その中でも、プロにしても、アマチュアにしても、演奏に関する悩みに関しては、かなり高い確度で克服を支援できてきた自負があります。

音楽関連の塾生の体験談、報告など

多くのケースで、短期間での変化を実現できているし、音楽をやる人は、真面目にトレーニングに取り組むので、指導している私としても、とてもやりがいを感じるし、楽しいです。

面白いのは、演奏不安の克服が、ほぼイコール、集中力の向上につながるということです。

今後、演奏不安とその克服について、多くの音楽家が抱える状況や、実践的な克服法について、ブログやウェブサイトなどで深く掘り下げていきたいと思います。

 

 

 

 

 

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