てんかんとニューロフィードバック

てんかんは、昼夜を問わず、突然、発作を起こして、酷い場合には気絶しまう病状です。

昨今、車を運転中に、発作を起こして事故を起こしてしまった事例があり、世間の注目を浴びるようになっていました。

人口の1%ものひとが、一生のうちにてんかんに罹患するという調査もあり、実はあなたの周りにも、てんかんを抱えている人は少なくありません。

てんかん発作が起きているとき、脳波に異常な反応が起こることで知られています。ですから、てんかんが疑われる場合、病院で脳波測定しますが、てんかん発作が起きていない場合、必ずしも異常な脳波がでているわけでもなく、脳波だけで診断できるものでもありません。

てんかん治療は難しく、ほとんどの患者が、薬で発作を抑えている、というのが実情のようです。

しかし、てんかん薬の副作用は強いようで、吐き気や眠気に苦しんでいる人も少なくないようですが、薬を飲まないと、いつ発作が起こるかわからないので、てんかん患者は、常に、その苦悩と戦っています。

ニューロフィードバックは、今では、ストレス対処・リラクセーション・集中力向上のトレーニングのために活用されていますが、ニューロフィードバックの本場アメリカにおいて、その医学的効果が認められるようになったのは、てんかん患者へのアプローチが始まりでした。

これまでわかっているのは、てんかん発作が起こる際には、脳波に大きな反応(スパイク・波)が現れるのですが、ニューロフィードバック訓練によって、そのスパイクを防御できるようになるということです。そして、そのスパイクが小さくなれば、発作も小さくなります。

ニューロフィードバック訓練のてんかん改善の効果は、今や多くの医学論文で検証されています。

ただ、残念なことに、日本では全く普及していません。日本では、てんかんは投薬治療しているのが、一番安全で、稼げるからでしょう。

興味深いのは、てんかん患者に行われるニューロフィードバック訓練は、アスリート向けに行われる集中力向上のものと、ほぼ同じであるということです。

※ニューロフィードバック訓練は、脳のどの部分を、どの周波数(アルファ・ベータなど)で鍛えるかなど、何十通りもの方法があります。

てんかんとニューロフィードバック訓練については、『ニューロフィードバック シンフォニーインザブレイン』という本のなかで、かなり詳細に説明されていますので、てんかんで苦しんでいる方、その家族で興味を持たれた方は、ぜひ読んでみてください。

 

ニューロフィードバック―シンフォニー イン ザ ブレイン

また、私の知る限り、下記は日本語で書かれた唯一の医学論文です。論文なので難解ですが、ぜひトライしてみてください。

BRAIN and NERVE 63巻4号 増大特集 てんかんの新しい治療
てんかんに対するバイオフィードバック療法

てんかんは大脳皮質の神経細胞の病的興奮によって生じる慢性脳疾患であり、生涯罹患率は人口の1%である。抗てんかん薬が主な治療手段であるが、患者のおよそ30%は難治性てんかんとされ、あらゆる薬物治療に抵抗を示す。現在、バイオフィードバック療法は、こういった難治例に対する代替療法の1つであり、その臨床応用は広まりつつかる。近年の臨床治験の結果は良好であり、より詳しい神経生理学的なメカニズムの解明が進んでいる。バイオフィードバックの本来の目的は生理的反応のコントロールであるが、てんかんの治療においては発作の起こる神経活動の閾値を変えることによって効果が現れると考えられる。薬物療法と違って副作用は稀であり、非侵襲的な治療法として注目を浴びている。患者は、1度バイオフィードバック療法の技術を身につけると、特別な装置を必要とせずに日常生活に応用できる事も特徴である。

「はじめに」より引用

なお、石井塾では、医療行為と混同される脳波トレーニングは自粛しており、てんかんの治療や改善を目的とするニューロフィードバックはできませんので、ご了承ください。

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