受験対策

受験生のメンタルトレーニング 事例と方法

現在、受験シーズン真っ最中です。今年度、石井塾でメンタルトレーニングを受講した受験生は、めずらしく音大や医学部志望者がおらず、二浪の早慶志望の文系受験生H君だけでした。彼も、無事にセンター試験で滑り止めの中央に合格し、明日、本命の慶応経済の受験です。さっき直前セッションをやり終えました。

H君は、慶應経済、早稲田政経など、私立文系の頂点を狙うほど、頭の良い学生ですが、去年は本命の試験中にプチパニックに陥ってしまい、早慶は全滅、確実な滑り止めを受けていなかったので、二浪に突入せざるを得ませんでした。

今年は失敗できない、でも更なるプレッシャーがかかることが予想されたので、親が心配して、メンタルトレーニング石井塾を見つけ、9月頃に入塾しました。地方在住なので、初回のみ上京して受講し、あとはFacetimeでの通話動画でのセッションでした。

石井塾では必ず入塾直後は、メンタルトレーニングの基礎としてレゾナンス呼吸法を教えます。そして、呼吸法の効果を「見える化」して、正しくできているかを確認するためのツールを使って、徹底的に指導します。

呼吸法は、試験本番でパニックになることを防ぐ効果があるだけでなく、長く厳しい受験勉強において、集中力を持続させ、良い学習ができることにもつながります。
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H君にも同じことが起こり、日々の勉強への集中力も増していきました。ただ、ここは正直にいえば、呼吸をすれば、必ずしも全ての受験生に起こるわけではなく、もともとやる気のある受験生であることは前提ですし、また、やはり何らかの「仕掛け」があると、呼吸法の効果を実感しやすくなります。

仕掛けとは、こういった補助ツールを使うということだったり、経験豊富なコーチのアドバイスや指導が入ったりといったことです。このような基礎のメンタルトレーニングを重ねて、日々の勉強面において効果を感じられるようになることが、呼吸法への信頼、ひいては「呼吸でコントロールできる」につながるのです。

この段階に達すると、次に行うのはイメージトレーニングです。よくいわれる「試験本番をイメージする」というものですが、よくありがちな間違いのイメージは、試験会場で、落ち着いて本来の力を発揮できているイメージをすることです。よくトップアスリートがテレビなどのインタビューではこう答えていますから。

しかし、あがり症の受験生にとって、全く緊張せずに、すらすら問題が解けるということはありません。そもそもそんな簡単な試験が出るような学校は第一志望になりえないです。

あがり症の受験生にとって、やるべきイメージは、「あがってしまっているけど、そこを何らかの対処法を行うことによって、うまくあがりをコントロールし、積極的に試験に立ち向かっている姿」です。この「何らかの対処法」の中心となるのが、呼吸法です。

昔から、緊張したら深呼吸をするように言われてきましたが、多くの場合、その深呼吸は、その場限りのことです。しかし、普段から、この深呼吸の「練習」をすることによって、本当に緊張する場面でも、うまく呼吸と感情をコントロールできるようになるのです。呼吸法とは、大事な場面で行う深呼吸の練習なのです。

本命の慶應経済を明日に控えたH君に、どのように本番を想定したのかについて、先ほどの最終セッションでヒアリングしました。仕方のないところもありますが、私からすると、本人が考えていた想定はちょっと物足りないものだったので、試験問題の傾向を詳しくヒアリングしたうえで、プチパニックになったり、集中が切れてしまったときにどんな対処をするのかについて、かなり細かく指導しました。

例えば、集中できず、問題がよく頭に入らないと感じたときに、何回、何を意識して呼吸法をするのか?だったり、それでも集中できない場合には、どの問題を先に解くことするのか、それでも問題が解けないと感じる場合には、どうするのか?など。

今考えられないことは、そうなったときには考えられません。今考えておくことで、そのときに対処できる可能性が高くなりますし、そもそも対処しなくてはいけないことが起こらない可能性も高まるのです。

これまでのH君への指導経験から、教えたことはきちんとやれる学生であることはわかっているので、これで恐らく大丈夫だと思います。あとは本当に力があれば合格できるはず。

でも、今回の出来事で思い出したのは、数年前に、偏差値100超えで、東大理Ⅲ(医学部)希望の浪人生でした。東大模試などでも、常に全国一ケタ。実力は間違いなくありましたが、1浪のときにパニックになり不合格になったことがきっかけで、7月頃に入塾しました。

短期集中コースを終えたときに、私は継続することを勧めましたが、日々の集中力や、大教室での受講不安も改善していたので、もう大丈夫だと思ったのでしょう、卒塾してしまいました。

結局、その年度の東大理Ⅲ合格者を見てみたら、その学生の名前はありませんでした(正確には出身校名がなかった)。恐らくですが、最後の準備がしっかりできなかったのだと思います。教えた呼吸法の応用的な使い方など。残念でしたが、本人の選択です。

大事な本番が近づいていて、即効的な効果が見込めるメンタルトレーニングを期待して、このブログを読み進めてきた方には申し訳ないのですが、やはり地道な準備こそが、本当に大事な「ここ一番」で力を発揮するには必要だし、そのような準備をすることを、メンタルトレーニング石井塾では強く推奨しています。

音大・芸大の受験生のメンタルトレーニング事例はこちらを参照ください。

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