あがり症の克服に向けて大事なこと ある受験生のケースから

今年の3月に石井塾に入塾した浪人生のSさん。将来の夢のため、医学部に合格すべく、1日十数時間の勉強をしています。

しかし、極度のあがり症で、試験本番どころか、模擬試験でも、パニックになってしまいます。ですから、難関校を志望しているにもかかわらず、偏差値は50ちょっとしかないそうです。家では8割以上解ける問題が、模試では半分もできないことがほとんど。今年の試験も、当然、共通テストで足切りされてしまったそうです。かなりのあがり症です。

さすがにこのままではまずいということで、いろいろ探された結果、少し遠方ながらも、石井塾にやってきました。

入塾相談では、今の現状について、詳しくお話を伺いますが、、本番どころか、模試でもパニックになってしまうということを聞いて、私としては、そのほうが改善見込みがあると考えました。

普通に考えると、よりひどいあがり症なのだから、改善は難しいいと思えるかもしれませんが、石井塾のメソッドでは、そうではないのです。というのも、石井塾のメソッドでは、一か八かで、あがり症を克服するのではなく、段階的なメンタルトレーニングによって、少しずつ克服していくことをモットーとしています。この形式だと、本番一発勝負よりも、何回か「調整する機会」があったほうが良いのです。

Sさんは、模試でもパニックになってしまうので、逆にいえば、模試を何度か受ける中で、それを克服できれば、本番でパニックに陥らない確率が上がると考えるのです。

そのSさん、先日、入塾後、初めての模擬試験を受けてきました。

2日後のセッションでの、本人の第一声は「またダメでした・・・」。翌日はかなり落ち込んでしまったそうです。それはそうでしょう。これだけ勉強しているのに、しっかりと毎日のメンタルトレーニングをしているのに。とても残念な結果です。

しかし、ここが、自己流であがり症の克服を目指す、多くの人が陥る罠です。ここでやっぱり駄目だと諦めてしまう人が本当に多いのです。このような場面で、本人は、感情的に間違った結論を出してしまいがちです。「やっぱり駄目だった」と。しかし、客観的な状況は結構違っているものなのです。

実際、Sさんとのセッションで、当日の、試験会場までの流れから、試験中のこと、各科目の出来具合まで、しっかりと、時間をかけて、話を聞いたところ、次のことが判明しました。

昨年までは、模試の7課目中、5-6課目で「ひどいパニック」に陥ってしまったのが、今回、「ひどいパニック」に陥ったのは1課目のみだったこと。4課目が、ケアレスミスなどが多かった「マイルドなパニック」だったこと。2課目が、「力を出し切れたわけではない」くらいの出来だったこと。国語では、前半パニくりかけたものの、途中で持ち直したこと。昨年までは、試験当日は、朝から一日中、お腹が痛くなってしまっていたのが、今回は、朝はお腹が痛くて、自宅と会場で、トイレにはいったものの、試験中にお腹が痛くなることはなかったこと。

こんなに大きな変化があったのです。

本人にしてみれば、自宅で問題を解くのと同じようにできることを期待したので、その期待値とのギャップから、「またダメでした」となったのでしょうが、この2年位、ずっと試験でパニックになってしまった人が、たったの1回で、完全回復すること自体が稀なことなのです。

セッションの終わりでは、このことをしっかりと伝え、現状、方向性は間違っていないことを認識してもらいました。

模擬試験では、自分の変化を、自分で気づくことができなかったSさんですが、毎日の受験勉強では、寝つきが良くなったり、朝の目覚めが良くなったり、うつうつとして勉強できなくなってしまうことが少なくなったなどの、変化は自覚していました。

こういった日常の変化も、色々な意味で、トレーニングの継続と、あがり症の克服につながっています。これらに気づき、記録を残していくことも大事なことです。Sさんには、今年は少し多めに模擬試験を受けてもらい、その中で、少しずつ工夫しながら、改善を目指します。

まだ先は長いですが、秋までに、模試のパニックを克服し、冬以降は、本番でのメンタルリハーサルに力を入れていくつもりでいます。メンタルリハーサルは、本番一発勝負に備えてできる、最善の準備策です。

あがり症で悩まれている方の症状や程度、分野(受験・スポーツ・演奏・プレゼンなど)は様々です。もっと簡単に改善することも少なくありませんし、途中で諦めて辞めてしまう方もいるのも事実ですが、石井塾では、一瞬で治る「魔法」は信じずに、着実なメンタル技術の習得支援と、一人ひとりに最適なフィードバックを心がけています。

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